概要
少年が手にしたのは、『異性を自分に惚れさせる』能力だった……
この世界では、誰もが一つだけ、自分だけの『祝福』と呼ばれる特殊能力を持っている。人々に授けられた祝福には、様々な種類がある。掌から火や水を出す祝福、雨や雷を降らせる祝福、人の心を読む祝福。個性的で独創的な祝福は、人々の暮らしに多くの利益をもたらし、重宝されていた。しかし、ごく稀に、『祝福』を持たない人間が生まれてくる事があった。『祝福』を持たない人間は、差別され、侮辱される。この物語の主人公、ロズワール・レイドも祝福を持たない人間の一人だ。彼は、祝福を持たないが故に同世代の人間からいじめの対象にされていた。蹴られても、殴られても、侮辱されても、彼は反抗しない。祝福を持っていない自分では、祝福を持っている人間には敵わないのを、長年の経験から知っているからだ。そんな落ちこぼれの彼にも、生きる希望
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