まさか、真実が現実の中にあるなんて君は思ってやしないだろうね?
私はかつてセプテントリオの妖精姫(ようせいひめ)、とあだ名されていたらしい。
未来の王太子妃として厳しい教育と公務に耐えながら、貼り付けた笑顔で愛想を振りまいていた、遠い時代の残滓だ。
今の私をそんな典雅な名で呼ぶものはいないだろう。
五年もの間ずっと泥の中を這いずり回って戦って、ようやく生還した私を待っていたのは、平和に浮かれる人々の空っぽの賛辞と、冷たい拒絶だった。
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アルファポリス様で公開していた「卑怯で臆病な僕は血塗れの聖女を受け入れることができない~セプテントリオの妖精姫~」およびその続編「幸福とは死者の群れの中に生者を見出すこと」を加筆、修正したものです。
カクヨム短編賞参加作品の「「卑怯で臆病な僕は血塗れの聖女を受け入れることができない」はこちらを無理やり一万字以内に短縮したものなのですが、やはり描き足りずに消化不良になってしまったのでいっそ加筆してしまおうと、アルファ版をこちらに転載する事にしました。
※登場人物の感情を描いている作品なので、軍の組織や作戦などはものすごく適当です。戦車などについても作者は全くの無知なので、あり得ない勘違いなどがあれば教えていただけると幸いです。
※関東軍の従軍看護師だった母の従姉の思い出や、今まで読んだり人から聞いた戦争体験がごちゃまぜに入っています。どこかで聞いたようなエピソードがまじっていても生温かくスルーしてください<(_ _)>
ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、関東軍に従軍した女性たちが八路軍に投降した後、さまざまな不幸な出来事がありました。これは八路軍の人々が酷かったというよりは、戦場というものが持つ根源的な性質による悲劇だと思っています。
母の従姉も直接的な被害には遭いませんでしたが複数の戦友が犠牲になったそうで、そのエピソードを多少アレンジして載せています。
そのため直截的な性描写は一切ありませんが、女性や子供への性暴力を含むあらゆる暴力をうかがわせるエピソードが複数ありますので、苦手な方はご自衛ください。
また、日本に限らず復員兵や軍属に対する差別で、ただでさえ戦場で傷ついた人々がさらに精神的に追い詰められた現実がありました。
こちらの作品でも復員兵への差別が随所に現れているので、そういったものが苦手な方も回避された方が良いかもしれません。
※基本的にバッドエンドです。毎回のように惨たらしく人が死にます。流血や腐乱死体がほぼ毎回出てきます。
苦手な方は回避してください。
おすすめレビュー
小説情報
血まみれの追放聖女は断頭台の夢を見るか?
歌川ピロシキ @PiroshikiUtagawa
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