妙メモリー

こちらの筆者様の頭の中は一体どうなっているのか。
どの回線と回線をつないだらこんな発想になるのか、できれば覗いてみたい。
そんな驚きの世界がここには広がっています。

読み始めは「？」がたくさん浮かぶのに、読み終わると全て「！」に変わるのです。
最高に面白くて、ちょっと怖くて、でも次々読みたくなるこの中毒性。
このワールドに嵌まってしまったら、もう抜け出せないのかもしれません。

とりあえず私は、とある神様が関西弁をしゃべった瞬間、
ファミレスの一角で一人笑いを堪え、とても怪しい人になりました。

皆様もお読みいただく場所に注意して、この不思議ワールドを是非とも体験していただきたい。

これはもはや「日常の中の不条理」などという生易しいものではありません。

現実ではあり得ない非現実をさらっと文章に紛れ込ませ、かつ、笑わせたりほろりとさせる手腕がお見事です。

気づけば妙なるメモリーに脳内を侵食され、「あったあった」「うんうん、そうだよね」と納得させられているのであります。

こちらは完結ですが、妙メモリー2もおすすめです。

余計な説明なく、スパッと当たり前のように始まる不思議な世界に引き込まれます。そのズラし方も絶妙です。何が起こるのか気になって、一気に全ての話を読んでしまいました。

こういった「ちょっとしたアイディア」は、単体だとそのまま「ちょっとしたアイディア」として読まれてしまう嫌いがあるけれど、継続は力なりというか、数撃ちゃ当たるというか、お中元の蓋を開けた時に「この味とこの味とこの味のゼリーは絶対死守するわよ」「プリンは別枠だから有り難く賞味しなければならないの」「あんたには水羊羹がお似合いよ」などと侃侃諤諤で愉しむ事が出来るように、詰め合わせになる事で愉しさも倍増するので、息絶えるまで馬車馬のように続けて欲しいと願わずに居られない。

「辞書を飼っていたときの話」「ホイットニー・ヒューストンで遊んだ話」など、奇妙で可笑しい体験談（？）の数々。

「皆さんもこんな経験ありますよね？」といったノリで書かれ、「あったかも……」と考えてしまうような、ちょうど良い塩梅の、ふわっと飲み込まれてしまいそうな、そんなコメディ寄りの狂気を感じる、素敵な作品です。

気になられた方は、是非ご一読を。

噛めば噛むほど、噛み締めたい、齧り付きたい物語が次々と出て来て、顎の筋トレになりました。

この世界観、大好きです！！

いや、少し待ったほうがいい。
人類には早すぎるスピードで飛翔しているからだ。
これに乗ってしまえば、2秒後にはもうアンタレスだ。
そうだ、あんたレスだ、あなたがあなたでなくなってしまうのだ。
どうだ、覚悟は決まったか？
なに、決まってない？
いつまで待たせるんだ早く読め！

……みたいなお話だとおもいました(´･ω･`)
※個人の感想です

自分、夜お疲れ～って言いながらハイボール片手に掌編読むのが最近のブームなんですが。これはいけません。まだこの年齢で咽て窒息死とかしたくないです。
ここまで明快に読みやすく愉快だと怒りや嫉妬で頭がおかしくなりそうです。
取っ散らかった感想で申し訳ございません。何が言いたいかと言うとずばり面白い。それだけです。ホイットニーだって許してくれます。

擬人化や置き換えが秀逸ですね。ジェネレーションが反映された物はその年代には確実に刺さりますね。