第22話

ママとパパの連携プレーの話。


あなたは、なぜかその日、オムツを嫌がり、パンツで外食に出かけた。


お姉さんになりたかったのかな?


ちゃんと「おトイレ」って言えたね。偉いよ。


でも、ちょっと遅かったね。トイレに着く前に、あなたは漏らしてしまった。


ママは急いで、あなたをトイレに連れていくあまり、


レストランの通路に、ウンチが落ちていったことに、まるで気がつかない。


そしたら、パパが、それを急いで、テイッシュで拾って歩いた。


不思議なもので、我が子の排泄物って、そんなに汚いなんて思わないの。


漏らして当たり前って前提だからかな。


ママとパパの連携プレーのおかげで、店員さんも、他のお客さんも


みんな嫌な思いをせずに済んだのよ。


大人の都合に、子供は合わせてくれないもの。


でも、だから子育てって飽きないのだと思う。


あなたが見せる、一挙手一投足が、全部、ママたちの宝物。


他人だった、ママとパパが、


たくさんの時間や思い出を共有しながら、


少しずつ「家族」になって行くのよ。


あなたにとっては、生まれた頃から、ママはママで、パパはパパだろうけど。


でもね、ママもパパも、あなたのばあばの養子だから、


血の繋がりっていうことよりも、そういう「家族」になるっていうこと


が大切なことなんだって、人よりも強く思うのよ。


思いやりと思い出が、家族を作って行くの。


それは確かよ。

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