第8話

まあ、あなたはいつだってみんなの人気者だったのよ。


両家ともの初孫だったし、


保育園でも先生や、年長さんのお姉さんたちにも可愛がれてた。


だって、本当に小さくて、お利口で、表情豊かで、


そして神経質で、気まぐれ屋さんだったから。


みんなが、あなたに、注目しない理由がなかった。


ママが保育園にお迎えに行くと、あなたはママを見つけるやいなや、


「まぁ〜まぁ〜」って大声で叫びながら、駆け寄って来て、


ママの胸に飛び込んで来たの。


ママはそんなあなたを、思いっきり、抱きしめたわ。


逆に、パパは、あなたの温もりを感じられなくて、寂しそうだった。


だから、あなたと一緒にいる時は、しょっちゅう涙ぐんでいたの。


パパは本当に泣き虫さん。(今もだけど…。)

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