第26話

あなたは、パパのおかげで、すごい量の絵本を読んだわ。


飽きもせずに、毎週必ず図書館に行って、10冊絵本を借りてくる。


楽しい話、怖い話、寂しい話、色んなお話があったけど、


あなたは、福音館書店の林明子著「こんとあき」が気に入ってた。


本当は、どうだったかはよくわからないけど、よく「よんで」って持ってきた。


パパの方のおじいちゃんおばあちゃんは、あなたのお誕生日には


必ず絵本をくれて、4歳のお誕生日には「こんとあき」を買ってくれたわ。


パパは、キレイなお話に出会うと、また泣いてたわ。


本当、感受性の塊のような人なのね。


ママのおじさんが亡くなったとき、お通夜に行かなくてはならなくて、


あなたはパパと二人で、過ごさなくてはならなくて、


その時、ママが恋しくて泣くあなたに、パパは、


おじいちゃん、おばあちゃんいもらった、


「スプーンさん」「コップちゃん」を読んだら、あなたは、泣き止んだ。


あなたはパパのお話をちゃんと聞ける子だった。


パパはたくさんのお話を覚えて、絵本がなくても、


あなたにお話を暗唱して聞かせてた。


すごいなぁ。


パパはあっという間に、ママよりも絵本に詳しくなってしまったの。


あなたも寝るときは、必ず、「絵本読んでぇ。」という子に育った。


パパの自慢は、

「うちの子は小学校に上がる前に、数百冊の絵本を読んでもらっている」

ですって。


継続は力なりね。まぁ、直接の学力とは関係ないかもしれないけど、


あなたの内面形成に大きな影響を与えたのかと、ママは思います。

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