第31話

あなたは、保育園に慣れると、


絵が上手に描けないことに悔し泣きしたり、


保育園に忘れて来た、お花がついたゴムが、誰かに取られているんじゃないかって、心配して泣いたり、


ただ、悲しい、だけじゃなくて、より複雑化した、いろんな感情を見るたびに、


「ああ、成長したのね。」


って思うのと同時に、ちょっぴり寂しさも感じた。


嘘をついたり、ごまかしたりしようとすることも覚えたり、


都合の悪いことは言わないとかも覚えて、


もちろん、我慢することも覚えて、お姉さんになろうと、


お利口さんになろうとすることはいいんだけどね。


ママは、すぐに、「あれはダメ」とか、「こうしなさい」とか、


「もう、赤ちゃんじゃないんだから。」


「一人で、自分でやりなさい。」


って言うからね。


小さい頃みたいに、無垢で天真爛漫ではなくなっていくあなた。


成長の喜びと、寂しさが交錯するの。


きっと、世界中の親が同じように感じて来たことなのだと思う。


ママは、あなたが産まれてきてくれたから、そういうことも知ることができた。


沢山の知らなかったことや、感動をあなたは与えてくれた。


試練も沢山あったけど、あなたの親にならせてくれて、ありがとう。

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