第30話

あなたが、4歳のとき、


あなたは、夕食の前に、隠れて、アイスを食べてた。


パパがアイスを取り上げたら、あなたは、火がついたように大泣きした。


パパは、「泣いてもダメ。ちゃんとごめんなさいしなさい。」って厳しく叱った。


この前の、お腹を壊した一件があったからね。


でも、きっと驚いたよね。パパは普段ダメって言わない人だから。


そんな人に怒られたら、きっと、自分が悪いことしてしまったって思ったよね。


大人の言葉で言えば、罪悪感とか、自己嫌悪になるのかな。


パパはね、あなたのそんな気持ちをよーく分かっていたはずよ。


幼い頃、親の言うことって、絶対だったもの。


まだ、世界が本当に狭くて、家庭と保育園があなたの世界の全てだものね。


怒られたら、とっても悲しいのよね。


パパは、怒りながら、泣いていたわ。


まったく、ダメね。いつでも、パパは優しすぎるのよ。


あなたの感情に、すぐ感情移入して、つられて泣いちゃう。


いい大人がね。


あなたのパパは、泣き虫パパ。

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