第24話

ある日、ばあばが、ベランダの植木に水をあげるために、


窓を開けていたら、飼い猫のお姉さんが外に出てしまった。


お姉さんは、家猫だから、お外に出たことはない。


なのに、2階から外に落ちてしまった。


あなたは、「お姉ちゃんがいなくなっちゃう!」って本気で泣いて、

戸惑っていたのよ。


普段は喧嘩ばかりしているし、邪魔者扱いしているときだってあるし、

もっと淡白なのかと思っていたけど、意外だったわ。


幸い、パパがダッシュでお姉ちゃんを捕まえてくれたし、お姉ちゃんも怖かったのか、二度とお外には出ないようになった。


また、パパが普段から余計なことを言うのよ。

「猫のお姉さんは、20歳になったら、猫の国に行って、そこで幸せに暮らすんだよ。」

ですって。


パパ的には、だから、一緒にいる時は大切にしようねって言いたかったみたいだけど、とりようによっては、「猫はいつかいなくなる。」って聞こえる。


だからね、あなたが、「お姉ちゃんと遊べなくなっちゃう!」って泣いていたとき、ちょっと安心した。


あなたはちゃんと、猫のことも大切な家族の一員としてみてくれていたのね。


お姉ちゃんは、あなたがお腹にいる時に、ママが拾ってきたの。


パパは、これから赤ちゃんが生まれるから飼っちゃだめって言ってたけど、


ママは、悲しくて、泣いてたの。


そしたら、パパは「いいよ。飼おう!」って言ってくれた。


あの時のパパはとっても男らしくてかっこよかった。


おかげで、あなたにはお姉ちゃんができたのよ。


ママは、本当は、パパの方が猫好きだって知ってたけど…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る