マチバリとイロメガネ

大学生活二年目の春……
松澤教授からセクハラを受けるハナは憂鬱だった。昨年度は松澤の講義から逃げ切れたものの、今年は逃げ切れない。
「一緒に取ろう」と約束した親友の当ても外れ、あのなめくじの粘液のような視線を独りぽっちで耐えなければならない。
必修だから取らない訳にはいかない。
そんな折、某有名バンドのボーカル（イケメン）に瓜二つ……否、完コピな男コタローと友人になる。自分よりも7つ上のコタローは一つ下の学年……文学部文芸科の新入生だった。レモンミルクをこよなく愛し鞄の代わりにレジ袋を下げる、掴み所のないおばあちゃん系メンズなコタローに助けられ灰色だった大学生活は塗り替えられていく。
2000年中盤から終盤にかけてのカルチャー、ワード、アイテム、ファッション盛り盛りのカクゾウMUSIC決定盤…続きを読む