概要
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- ★★★ Excellent!!!その機体は紛れもなく繭であった
繭。それは幼体と成体の境界に揺蕩う存在だ。意思をもたず、動くこともできない。それはつまり生と死の境界にあるということで、その悲劇性は考えるまでもない。"手も足も出ないまま"嬲り殺しに遭うという宿命がある。そう、人は繭を糸だと思っている。繭は養蚕の最終工程であり、蚕の棺桶であると勘違いしている。
しかし実際は違う、そう本作は主張する。繭とは羽ばたく為の準備段階だ。地を這うしかない幼虫が空を駆けるための、ちょっとした試練。繭が破れたあとには無限の未来と希望が飛び出してくる。繭とは生のメタファーである。
人類が<クラウド>と呼称される異形生命体にその生存圏を奪われ続ける終末世界。<クラウド>に対…続きを読む - ★★★ Excellent!!!極限の世界で生きる女兵士達の物語。
人に憑りつき害を成す極小の微生物・クラウドと、その厄災から逃れるべく懸命に抵抗を続ける人類との、先の見えぬ戦いが行われている世界。
戦術機動機甲「コクーン」のオペレーターである主人公・カルハと、そのパイロットである相棒のセンが、共に任務を遂行する中で、ある疑惑に巻き込まれ、さらに危険な任務へと赴く事になる――というお話です。
正体不明の敵と戦う中で消耗した人類が、既に先の見えぬ状況に陥っている事を自覚しているカルハは、己の存在や行動に意味を見出せず苦しんでいるのですが、実際のところ、その悩みは人間として普遍的なモノではないかと感じられ、この極限の世界にあっても、カルハへの感情移入は容易であ…続きを読む