第24話 男性恐怖症
杏さん達との特訓(土木工事)を終わらせた後
俺は小原先輩と莇さんのとこへきていた
すると小原先輩は何故か莇さんの胸ぐらを掴んでいた
「ちょ、どうしたんですか小原先輩!?」
「あ?特訓だよ。こいつの」
俺が話しかけると小原先輩は手を離す
俺は莇さんに駆け寄るが莇さんは明らかに震えていた
俺はとりあえず収めるために頭を撫でる
「どうしてこんなことを?」
「こいつは男性恐怖症なんだろ?そんなんじゃ使えねぇからせめて恐怖に慣れてもらわなきゃなって思ったんだが予想以上に恐怖を植え付けられてるみてーだ」。
さっき皀さんから聞いた話だが
莇さんはかなり厳しい教育を受けてきたようで
その身なりから色んな人からいじめをされてきたらしい
それから男性恐怖症へとなって強くなるためにもこの高校に入ったらしい
これは慣れさせるために脅してたら意味がない
どうしたら・・・・
「・・・・おまえよ、男装して来てくんね?」
「はへ?」
「いいから、学園長に男性洋服持って来てもらうから」
「なんでそうなるんですか!?嫌ですよ!」
「うるせーしばくぞ」
小原先輩の理不尽な命令に俺はなすすべのなく
執事に流されるがまま服を着替える
うわぁ・・・・久しぶりだなぁ・・・・男服
俺は自分で着替えると嘘をつき執事達が見てない隙にサササッと着替えた
「えっと・・・・着替えて来ましたけど」
「・・・・おめぇ男装似合ってんな。一瞬男かと思ったぜ」
「(そりゃ男だからな)そんなことないですよー」
「とりあえず男が怖くないってことを教えてやれ(ヒソヒソ)」
「そんなこと言われてもどうやって?(ひそひそ)」
「まぁ見ときな」
小原先輩はニヤリと笑うと莇さんの方へ行き
また再び胸ぐらを掴む
ま、まさか小原先輩が敵役になって俺が助けろってか!?
いやまず小原先輩に勝てる気しねぇんだけど・・・
ええい!ままよ!
「待て不良!おまえの好き勝手にはさせないぜ!」
「あぁん?なんだテメェやんのか!」
王道のようなセリフを言って俺に襲ってくる
ここはあまり暴力に走るわけにはいかない
スマートになおかつ圧倒させないと
多少は手を抜いてくれるだろう・・・・多分
俺は小原先輩のストレートパンチを避け、小原先輩の頭を両手で掴む
その後両手で掴んだまま思いっきりジャンプして
小原先輩の後ろに立ち、思いっきり投げてみる
普段は使わない技だし、あまり強いとは言い難い技だが
傷つけずなおかつスマートに勝つ方法がこれしか見つからなかった
小原先輩は大げさに投げ飛ばされ壁に背中をぶつけると動かなくなった
俺は莇さんに駆け寄り、大丈夫?と声をかけてみるが
ヒッ、と小さく声を出すだけで震えてるだけだ
・・・・いつもの莇さんじゃないとこんなにやりづらいのか
「大丈夫。俺は敵じゃない、信じてくれ」
「でも・・・・でも・・・・」
「怖いなら誰かを頼れ。君は一人じゃない。皀さんも皆味方なんだ。君一人じゃなく皆で戦えば怖くないよ」
俺がそう言うと莇さんはようやく顔を上げた
そしてか細い声で言葉を紡いでいく
「私・・・・皆と・・・・いたい・・・・だけど・・・・いつ裏切るかとか・・・・考えちゃう」
「今すぐにとは言わない。まずは君が信頼したい人と仲良くすればいいよ。少しずつ慣れよう皆ついてるから」
「・・・・ありがとう・・・・・」
莇さんが手を伸ばしたのを俺が握る
その手は心なしか暖かく感じた
あの女子校は男の娘である 六道 傑 @Rokudou
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