あの女子校は男の娘である
六道 傑
第一章〜あの女子校には男の娘がいる
第1話 序章
「お父様!しっかりしてください!お父様!」
燃え盛る火の渦の中少年は男性を抱えていた
すでに体は銃で穴だらけになり血だらけの男性は
少年を見て無理に微笑みかける
「椿・・・・戦え・・・・自分の身を守るために・・・・」
「私には無理です!お父様がいなくては私一人に!」
「大丈夫だ・・・・もう椿一人でも生きていける・・・・」
「お父様?お父様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
・・・・また、同じ夢を見た
忌まわしき戦争の夢だ
俺がまだ13歳近くの頃、突如爆撃がこの地域を襲った
予想だにしなかった人々は逃げ惑い、結局その地域の人々は
俺以外はほぼ全滅した
俺が生きてることがまさに奇跡、しばらくは報道陣が止まらなかった
ただでさえ父親一人で育てられた俺は故郷も父も無くして報道陣に何を言ったのか覚えていない
でも、その時ひとりの女が俺を助けてくれた
「おーい椿〜!ご飯出来たよ〜!」
六道美和子。本人の話だと永遠の17歳
彼女が俺をこの2年間匿ってくれた
彼女の勧めによって俺はある高校に受験した
北雪高校、戦争が始まって数ヶ月で作られた自分達を強くする
サバイバルに特化した男子校だ
俺はお父様が死んでから決めたんだ
絶対にこの戦争を始めた奴をぶっ飛ばすと
美和子の教育の元、それなりに身体能力は良くなった
あとは今日昼からの合格発表を見るだけだ
お、早速メールが来た。俺は美和子が作ったであろう焦げまくりの食パンを貪りながらパソコンを開いた
えーっとなになに・・・・北雪高校から六道椿様、
残念ながら不合格とさせていただきます
ほーん、なるほどなるほど・・・・・・・・・・・
「不合格ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!?!?!」
「うわー!びっくりしたー!急に大声出さないでよ椿〜」
「み、みみ、みみみ美和子大変だ!俺に来たメールがバグった!」
「おおお落ち着いて!落ち着いてこの味噌を食べて!」
「おおおお!この味噌美味しい!ってなるかバカ!」
五分後、ようやく落ち着いた俺たちは急遽作戦会議を始めた
まさか落ちるとは思ってなかった
中学では成績優秀スポーツ万能のモテ男と呼ばれたこの俺が!
「何がいけないんだろうね?あ、不合格理由書いてるよ。『なんかイラついた』だって」
「どこぞのブラック企業でもそんなのあるか!ふざけてんのかこの学校!」
「あ、そうだ、いいこと思いついた」
美和子は急に立ち上がりタンスの中から
キラキラした女物服が出てくる
何をするつもりだろうと思ってると一つのパンフレットを差し出される
それは北雪高校と同じ時期に開校された
海堂付属専門高校、女子校である
「・・・・まさか美和子さんとあろうお方が俺に女装して女子校に行けと?」
「そのとおーーーーり!」、
「アホかーーーー!!!!」
この先・・・・俺どうなっちまうんだ?
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