第12話 皆と仲良くなろう(皀カンナ編)

莇さんの話によると最近ニュースになるほど騒ぎを起こしている

猿の大群がこの学園に入り込んだらしい

確かその猿は乱暴で店の食い物を散らかしたり

警察も手を焼く大群だ。確か10匹はいたはず

それを相手にしてるのか?あの人が?

ていうか皆なんで見てばっかなんだよ!

せっかくなので莇さんの手を掴みどうにか人混みを分けて最前列に行く

すると最前列に京塚さんもいた


「あ、椿君。どうしたのそんなに慌てて」


「京塚さん!なんで皆助けないの!一人で戦ってるんでしょ!?」


「物を見てから言ったほうがいいですわ椿さん」


二人に促され俺は現場を見ると

身体検査の時に持っていたナイフで

すでに猿7匹を惨殺し、逃げようとしてる残りの猿を恐ろしい形相で追いかけていた


「あははは!逃がさないよ〜!もっと血をちょうだいよ〜!」


「・・・・なに、あれ」


「四女帝の話は椿くんも聞いたでしょ?ナイフを持てばヤンデレみたいに人格変わっちゃうんだよ」


身体検査の時は凄く挙動不審だったのに

今は血を欲する吸血鬼のようだ

俺は一番近くに倒れている猿が生きてるか確認する

どうやら死ぬ直前まで持って来させて気絶させてるみたいだ

良かった、殺しはしてないみたいで

俺たち3人は倒れてる猿達をなんとか運び出し

動物病院と警察を呼ぶ手配をする

最後の1匹を運び終わると皀さんと目が合った


「よくもあたいの獲物を全部取ったね?せっかく最後はじりじりと嬲り殺そうとしたのに」


「皀さん正気に戻って!殺しても意味ないよ!」


「あたいは強いのを殺すのが好きなんだよ。仕方ないからあんたを奴隷にしてあげようか?」


皀さんはそう言うとナイフを俺に突き刺してくる

ギリギリ避けた俺は背後から両腕を掴み動かないようにする

駆けつけた京塚さんと莇さんでナイフを奪う


「あ、あれ?椿ちゃん?菫ちゃん?真琴ちゃん?なんでここにいるの?」


「良かった皀さん、正気に戻ったんだね」


「まさか私またやっちゃった!?はうぅ〜ごめんなさい〜」


皀さんは申し訳ないというのと恥ずかしいのが混ざって

顔を手で隠しながらしゃがみ出す

・・・・この子の力量は半端ない

両腕を掴んだ時ほとんど抑えられることが出来なかった

俺もまだまだだ・・・・この子の裏人格とも仲間意識を持ってもらわないと

どうしたものか・・・・

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