第11話 戦争の生き残り

毎日。私は夢を見る


「すごいお姉ちゃん!じゃああれも取ってよ!」


私の素質が出たのは夏祭りの射的だ

弟の為に賞品をプレゼントしようとして

全て持ち帰ったのがきっかけだった

それからは人間観察とかいっぱいしたし

腕が鈍らないようにおもちゃの拳銃でずっと鍛えてた

夏の時は弟とよく水鉄砲で遊んでたっけ


「わあーー!お姉ちゃん強すぎ〜!」


「あなたにも出来るわよ」


そんな楽しかった日々はすぐに幕を閉じた

急な警報と共に私の家は炎の渦となった

私は弟の手を握り必至に走って逃げた


「熱いよぉ・・・・・痛いよぉ・・・・・お姉ちゃん・・・・」


「しっかりして竜!大丈夫!大丈夫だから!」


私は走ってるうちに地面にあった銃を拾い

弾が出るのを確認してからまた走り出す

散々走ったものの一行に出口は見つからず

弟はついにコケて倒れてしまった


「竜!大丈夫?」


「お姉ちゃん・・・・僕、もう無理だよ・・・・」


私が助けようとすると頭上から瓦礫が竜を襲う

弟はほとんど見えなくなるが声だけ聞こえる


「お姉・・・・ちゃん・・・・逃げて・・・・お姉ちゃんだけでも」


「な、何言ってるの竜!ダメよ!あなたも生きるの!」


「お姉ちゃん・・・・お願い・・・・」


私は涙を流しその場から離れることが出来なかった

しかし爆発が無慈悲に起き始める

私はそれから必至に走った

弟を助けられたかもしれないのに逃げることを優先した

私はそれが悔しくて泣き叫んだ



「・・・・そこから記憶もないし夢も途切れた。目が覚めた時には病院だったから」


俺は目の前で父が死んだあとはよく覚えていない

美和子曰く美和子がそのあと拾ったと言っていたし疑いもしなかった

坂本さんは必至に逃げてどうにか隣町まで逃げ切れたんだ

やはり、戦争とは無慈悲なものだ

そこまで考えると坂本さんは右袖をめくり

右腕の火傷のあざを見せる


「私は守れなかった弟のためにこの戦争を止めたい。お母さんもお父さんも亡くなっちゃったけど。その命も私が背負いたい」


「・・・・良かった、抱え込んでるわけではなかったんだね。私も、その覚悟を背負わせてよ。私もこの戦争を止めたいから」


「・・・・ありがとう。仲間がいて助かった。貴方なら少しくらい話してもいい・・・・かも」


坂本さんはそう言ってそっぽを向いた

俺は安心して教えてくれてありがとう、とだけ伝えると中庭を後にした

するとなんだか騒ぎになってる場所があるので

またもやその場にいた莇さんに話しかける


「どうしたの?この騒ぎ」


「あら椿さんまた会いましたね♪なんでも急に襲ってきた野生のサル相手にカンナさんが駆除してるらしいのです」


坂本 百合 15歳 誕生日10月31日

身長162 髪 白 肩にかかる程度

砲術タイプ(主に銃を持った攻撃が得意)


頭脳明晰で射撃は百発百中の無口な少女

戦争で椿以外に生き残った数少ない1人

戦争の夢をよく見て、その先ずっと無口らしい

戦争を経験した椿を気にしており唯一口を開いてくれる

体が柔らかく、どんな体制でも射撃できる

しかし、意外と頭が悪く、英語能力は皆無

成績トップ取れないのは9割がたそのせいと言われていい

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