第8話 男の娘同士のデート?
・・・・・緊張しすぎて吐きそう・・・・何してんだ俺は・・・・
「あ、こっちにも似合いそうな服あるよ」、
今俺は、自称男の娘とデートしている
経緯は前回を見れば分かるだろうが(何言ってんだ俺)
側から見れば女友達同士の買い物。でも中身は異性相手のデートである
本人が男の娘を自称してるとはいえ
見た目は女。ていうか戸籍も女
あわよくばハーレムにもなりたいとは言ったが
流石に本番となると緊張が・・・・
「ねぇ?聞いてる椿君?」
「え?あぁ君に似合いそうだよね」
「そういうことじゃなくて、今は君の服を選んでるんだよ?少しは手伝ってよ」
そうは言っても、男子の諸君なら分かってくれるのが大半だろうが
俺はファッションなど興味がない
着れればそれでいい。ということで俺の家には男用の無地Tシャツしか入っていない
俺が似合いそうと思う服をとってもどうせ不採用だ
俺は「君に任せるよ」とだけ言うと
何かを納得したように二、三着の服を渡してくる
「・・・・ね、ねぇ京塚さん?これ肌見せすぎじゃない?」
「君の中身が男とはいえ今は女なんでしょ?君の肌女子レベルで綺麗だから肌見せすれば男と疑われる心配もないよ」
・・・・確かにそうだ。俺は生まれてこのかた
足とか腕に毛が生えたことはない
中学の時は超美脚とか言われていた
だから女装の際は全然不自然が無かった
京塚さんの言うことはごもっとも
仕方なく俺はその服を着てカーテンを開ける
「お、似合ってるじゃん。流石僕だね。まぁ半分は君の肌が見たかっただけなんだけど」
「・・・・あのねぇ、私は見せ物じゃないよ」
「だって男の娘同士なのに一緒に風呂にも入ってくれないし」
「男同士でもそんなのは無いし!まず君は女!」
「・・・・なんでそう断言出来るの?見ても無いくせに」
俺がそう言うなり京塚さんは異常に俺に近づき上目遣いをする
不覚にもドキッとしてしまい目線を逸らすが
今度は顔を掴まれて強制的に京塚さんに目線がいく
「見る?僕が男か女か・・・・はっきりしたい?」
「そ、それはハッキリしたいけど・・・・ダメだよ京塚さん!ここ試着室だよ!」
俺が色仕掛けにギリギリな所で反抗すると
流石に遊び過ぎたと思ったのかようやく離れてくれる
「あーあ、君が本当に女の子だったらな〜」
京塚さんはそう言って試着室を出る
・・・・本当に何がしたいんだよあの人
俺は結局その服全部買うことにして
その店を後にした
「あ、そうそう、君がいない間に先生から追加宿題として武器の一つや二つ買ってこいってさ」
京塚さんはそう言いながら次は武器屋に来た
武器屋は戦争が始まった半年後に出来て
もし無能な人が襲われても多少は対抗出来るように、とかなんとか
基本的に銃が主で、棍や剣等多数の武器が揃っていた
俺は体術を習っただけで武器を持った攻撃の仕方など分からない
ここは無難に剣か?と思い、ずっと見つめていると
急に警報が鳴り始めたと同時に銃声が聞こえた
「きゃあーー!強盗よ!誰かーー!」
女性の声が聞こえたと同時に男の人が武器屋から出ていくのが見える
たまたまその通路にいた京塚さんがあっけなく捕まって人質にされる
「おら!来るんじゃねぇ!こいつがどうなってもいいのか!」
京塚さんは首を絞められ地面に抑え付けられている
流石に男の人に力では勝てない
俺がどうにかするしか無い!
だが俺は銃の腕前は初心者以下
まともに近くに行けば京塚さんが犠牲になってしまう
そこまで考えてると京塚さんの足が浮き
強盗の首に絡ませる。そう、三角絞めだ
・・・・良かったな、京塚さんがズボン履いてて
「がっ!て、てめぇ!」
「あいにく僕は海堂付属専門学校現役なんでね。甘く見てると後悔するよ!」
男が京塚さんに気を取られてる内に
俺はその場にあった棍で思いっきり強盗の首をぶん殴る
流石に強くしすぎたか、強盗は倒れる
「ふぅ、困った強盗だったね」
「だ、大丈夫京塚さん!!怪我は!?」
「大丈夫だよ、首締められただけだし」
「良かった・・・・君を守れて・・・・」
おれがホッとしてそう言うと
京塚さんは意外だと言いたげな顔して
クスッと笑った
「とりあえずこの人警察に送り込んでデート再開しよ」
「あーはいはい、まだ続くのね」
この後警察に感謝状をもらい
俺は棍、京塚さんは短剣を買い
先生からはちょっと説教されてまたちょっと褒められて
今日は色々な事が起きたと思いながらすぐ就寝してしまった
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