第14話 四巴って必ずデメリットあるよね

目が覚めると、何故か体が重く感じた

なんだ?と片目を開けると京塚さんが俺の上に乗っているのだ


「何してるの!?」


「ん?あれ?起きちゃった?寝起き襲おうって思って」


「呆気からんと何言ってるの!とりあえず退いて!」


「まぁまぁそー硬いこと言わず〜本当は嬉しいくせに〜」


京塚さんはそう言って髪を耳にかけ

どんどん俺に近づいてくる

やばばばばばばばばい!俺女に慣れてないし!

失神しそう・・・・


「・・・・やっぱり君、戦争の生き残りなんだね」


俺はいつのまにかうつ伏せにされ

背中を触られていた

あ、普通にバレた。どうしよう

俺が顔文字みたいな顔で困ってると

京塚さんはようやく俺から離れてくれた


「それあんまり見せない方がいいよ」


「え?あー記者とか来るから?」


「違う違う、戦争を起こした張本人も火傷を負ってるらしいから」


俺はその言葉に心臓がドクンとなった

「なんで、そのことを知ってるんだ?」


「あくまで噂だけどね、先生が言ってたんだ。それとこの模様なに?」


京塚さんはそう言っていつのまにか撮った写真を見せてくれる

俺の火傷跡に×に似た文字が刻まれていた


「え?あれ?そんな文字知らないよ。いつついたんだろ」


「ふーん、これさ、学園長に提出していい?」


「別にいいよ。学園長は私のこと知ってるし」


京塚さんは俺の返答を聞いたらすぐさま部屋を出た

なんだろう、妙にパタパタしてたな・・・・




結局京塚さんは帰って来ず、

莇さん、皀さん、坂本さん、先生と円形の机を囲んで座っていた


「京塚はどうした?」


「あ、えと、学園長に用事あるみたいで、すみません先生」


「まぁいい。お前ら四人に集まってもらったのは、おそらくお前らがこの北雪との戦いのキーマンになると見込んだからだ」


先生はそこまで言うと腕時計をいじり

でかいスクリーンを出す

うおお、流石技術の進歩で戦争を起こしたのは伊達じゃないな


「主に莇と皀がペア。坂本と六道と京塚がペアとなって二手に分かれろ」


「すみません先生、私って四巴じゃないのに何故この中に入ってるんです?」


「主に突撃兵は一チームに必ず必要だ。お前の場合莇の戦術を理解し行動出来る力があると見込んだ」


先生はそう言うとちらっと坂本さんの顔を見る

俺もちらっと見ると何故か顔をしかめていた


「どうしたの坂本さん?なにか機嫌悪くする事でも・・・・」


「・・・・ごめんなさい。私戦術とか全然分からなくて・・・・貴方に頼りきりになっちゃう」


「いやいやいや!気にしないで!勝つための戦法だからまだまだこれからだし!」


俺が言うと安心したかのように少しだけ微笑んだ

だめだこの人かわいい。いやそんな事思ってる場合じゃない


「あ、あの!私!このナイフ持たないと戦えないんですが・・・・」


皀さんはそう言ってナイフを机の上に置く

皀さんはナイフを持つと人格が変わるが

それってこのナイフのみなんだ?


「うん。試しに合同テスト用のナイフ持ってみたけどだめだった」


「でも体つきはほぼ一緒で表人格でも十分に戦えるでしょう?」


「みゅぅ・・・・菫ちゃん、私が男苦手なの知ってて言ってるでしょ」


「あ、忘れてましたわ♪」


・・・・ここまで話してて思ったんだが

一人は男嫌いであまり戦闘苦手

一人は戦術を全然理解できない

・・・・これは俺と莇さんと京塚さんが頑張らないと

やばいやつなんじゃ・・・・

・・・・明日が合同テストか、どうなるんだろう






「学園長は知ってたんですか?あの紋章のこと」


「もちろん知っているとも」


「では僕と椿君を同じ部屋にさせたのはその為と?」


「そうだ。今後の戦争の為にも。君と椿には最高のペアになってもらわなきゃ困るのでな」


「・・・・必ずや、お役に立てて見せましょう。この紋章に誓って」


京塚真琴はそう言って学園長に跪く

ちらっと見えた太ももには罰印が映されていた

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