第2話 女子校に入る
本来、北雪高校もしくは海堂付属専門学校の受験に落ちたものは
滑り止めで受けた学校に行くしか術はない
事実、俺は滑り止めなど用意していなかった
だが美和子曰く、海堂の方は二次試験が受けられるらしい
戦争に駆り出されるのに女子が優先して受験する数は少ないのだ
しかしすでに三学年で合計9クラスはあると聞いたので
別に少ない訳でもなさそうだ
少ないとはいえ相手はエリート校
女装なんかしてバレたら洒落にならない
だけど落ちたから戦争で戦うにはどちらかの高校しか進めないのであって・・・・
そこまで考えていると美和子がパンフレットで叩いてきた
「大丈夫!あの海堂はあのポラリス財閥が仕切って学園長はなんとその長女ポラリス・ラルガ!私の知り合いなのでアール!」
急に口調を変えて決めポーズをする美和子
ポラリス財閥はスポーツ用品やスポーツ自体を仕切っている
まさにサバイバルに強くなるにはうってつけの財閥なのだ
でも人自体はかなり難ありらしいので美和子が言って通してくれるかどうか・・・・
美和子は俺が考えてる間、電話をしていたようで俺にグッジョブのジェスチャーをする
女装なんかしたくなかったが、この際もうどうでもいい!
俺は戦争の恨みを晴らしてあわよくばハーレムを築く!
「よーし!決まったところで早速女装するよ!ほら着替えて着替えて!」
「あっちょっと美和子押すなって分かったから!」
海堂付属専門高校、流石にでかい
殆どの部屋がトレーニングルームなどに費やしており
中には色んな人が戦っていたり鍛えてるのが見える
美和子の先導の元、学園長室に入る事になった
大丈夫か?美和子の服着て(めっちゃちっちゃい)ロング髪のカツラ付けてるだけだぞ?
俺たちが入るなりグラスに入ったワインを飲んでいたポラリス・ラルガがこちらを見る
「ようこそ我が高校へ。貴様の願いだから聞いてやったが想像以上に隣のやつは弱そうだな」
「そんなこと言わないでラルッチ♪来週からこの子よろしくね♪」
学園長は蔑んだ目で俺を見続けたが次第に高らかに笑った
「椿と言ったな。今は人材が欲しい、仕方ないから女と登録して入学させてやるが、カスだったら速攻に退学だ。肝に命じておくように」
「あ、当たり前だ!俺はこんなところで立ち止まってるわけには行かない!」
俺が根気強くそう言うと学園長は
面白そうに不敵な笑みを浮かべるだけだった
入学式の日、前よりも結構完璧な女装を完成させた俺は
寮に入る為の大荷物を背負う
「たまには帰ってきてね?寂しいんだから」
「分かってるよ、少なくても月一で帰ってくる」
「じゃあいってらっしゃい椿!頑張っておいで!」
美和子から俺の背中に強めのはたきが入ると
俺は走り出した
走りながら振り向くと美和子は俺が見えなくなるまで見送っていた
「さぁってと、これでいいんだよね」
美和子は一人でそう呟いてポケットの中にあった一人の男性の写真を見てそう呟いた
『ーーーーであるからして一年生の諸君ーーーーであるからしてーーー』
ハゲ校長のクソつまんない話を聞きながら俺は考える
色々美和子に頼りっきりでさっき聞いたのだが
寮はなんと二人部屋らしい
つまり今目の前と後ろにある三列の俺のクラスの人間のうち一人が俺と一緒に暮らす事になる
早々に女装がバレそうな予感・・・・
そう思ってると横からツンツンと突かれた
俺は振り向くと可愛い女の子が俺のハンカチを持って差し出していた
俺はなるべく裏声でありがとうと言うと
女の子も笑顔で手をひらひらさせる
あぁ、こんな女の子と一緒ならいいのに・・・・
校長の長話が終わり、教室に戻ると早速自己紹介が始まった
裏声出せるかな?とか思ってるとさっきハンカチを拾ってくれた女の子が立つ
そして一言目にとんでもないことを発した
「京塚真琴。男の娘(こ)です♪」
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