第20話 工事現場の海童

清水先輩に連れてこられた場所は工事現場

あれ、ここ結構プロが集まってるってテレビで見たことがある

ここに四巴ならぬ四女帝がいるのか?

と思ってると身長の倍はある木材を大量に抱えている女の子が右往左往していた


「杏ちゃん、ちょっといい?」


「はい!あ、守さん!こんにちは♪すぐ終わらせますね!」


杏と呼ばれた女の子は木材を全て配置させてから来てくれた

頭にリボンが付いていてとても可愛らしい


「この人が成績三位の怪童の今福 杏(あんず)ちゃん。椿ちゃんと一緒の体術タイプだよ」


「初めまして!話は聞いています、先輩ですが我のことは気軽に杏とお呼びください♪」


「えっと、杏さんはここで何を?」


「我なりの特訓法です。我の親は土木関係に営んでいて良く手伝わされるんですよ。特訓にもなるし人助けにもなりますよ♪」


一人称が我と言う以外は特に問題ない様に見える

杏さんは話をしてる間でもちょっとした手作業を止めない

俺は清水先輩に耳打ちで何が問題なんですか?と聞くと

清水先輩はまぁ見てて、と呟く


「忙しいとこごめんね杏ちゃん。仕事してるとこ見たいな」


「ふぇ!?我の仕事見てても何もありませんよ!見ないでください恥ずかしい〜」


「あーやっぱり私達に付いてきて欲しいな。他の二人も紹介したいから」


「我が紹介!?無理です無理無理!我の説明なんか聞いたらきっと落胆しますよ!それにみなさんに失礼だろうしブツブツブツブツ・・・・」


後半はブツブツ何を言ってるか聞き取れないが

この人・・・・・要はネガティブなのか

敬語の理由はほとんどそれが理由だろう


「・・・・という感じで杏ちゃんはネガティブなの。いざという時に全然働いてくれない」


「申し訳ございません・・・・いっそのこと自殺します」


「それはやめてよ。後味悪いから」


「思い切ってこの学校に飛び込んだはいいものの、やっぱり我なんて・・・・」


「思い切ってって何か事情があるんですか?」


「先程我の親が土木関係を営んでいるのは教えましたよね。それで作った家などが戦争で壊されてしまって、壊されるくらいなら元から止めてやろうと思ったんです!」


普通なら一杯家とか作って保護に回る様な出来事なのに

何故かそっちの方向に進んでしまった杏さん

その笑顔に、迷いは無さそうだった


「分かりました、我も付いていきましょう。守ちゃんだけだと他のお二方をお相手出来るか少し不安ですから」


こうして杏さんも付いていくことになり

次はよく職員達がいる喫煙室に向かおうとしていた



今福 杏(あんず) 16歳 誕生日8月22日

身長153 髪 緑 肩にかからない程度 頭の横にリボンが付いている

体術タイプ(主に近距離打撃を得意とする)


恐ろしい程のネガティブ思考を持った女の子

誰にでも敬語を使い謙遜しまくる

学校一の怪力の持ち主で愛称は怪童

道路に通れない程の土砂崩れなどを見ると三十分で全て片付けたりする

元々子どもの頃から土木関係の仕事を営んでいたが

戦争で自分の家を壊された事から作っても壊されたら意味がないと発想し今に至る

なぜか一人称は我。スカートをかなり嫌っている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る