私の処女を奪って下さい ~僕と晴希の愛の軌跡 731日の絆と58年の想い~
春原☆アオイ
プロローグ 〜 独唱 春風は突然に 〜
透き通る風が
雨の匂い
しとしとと
――――僕達は出会った。
『
世間から見ればあまりにも不釣合な二人
結ばれる事など絶対にあり得ないと
初めから決めつけていた僕は
好意を抱かれながらも
その気持ちを受け入れる事が出来ずに
彼女を遠ざけてしまった。
―運命―
僕の気持ちとは裏腹に
離れても引かれ合う
まるで赤き糸……
強い運命で結ばれていた僕達は
いつしか……愛を
―満たされる日々―
春に
あの花の様に
太陽の様に眩しい笑顔に照され
くすんで見る影も無かった僕の心は
色鮮やかに映し出されていた。
温かな木漏れ日によって
優しく包まれた僕の掌は
無償の愛で満たされていた。
そして……
僕は誓うのだった……
誰よりも彼女を幸せにするのだと……
僕は願うのだった……
この幸せが
だけど……この幸せは……
――――突如として終わりを迎える事となった。
『私の処女を奪って下さい』
彼女の言ったこの言葉だけが
いつまでも僕の心の中で
繰り返されている。
これは僕と晴希の出会いと愛の結び
そして……別れを
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