族[塊] 科[骨] 名称[スケルトン] 推奨[F~] 出現[野山森砂川海―――――闇] 注意事項[無敵、(武術)]

 ◇族[塊] 科[骨] 名称[スケルトン]◇

  瘴気により汚染された2足歩行種の骨をスケルトンと呼ぶ。

  グールと同様に生物の屍に瘴気が宿った魔物で、自然発生することは少ない。

  動物の骨の悪魔は使い魔以外で確認された事例がないため、スケルトンとは別物である。


 ◇推奨[F~]◇

  捨て身で襲ってくるため、有利な状況でも注意が必要である。


 ◇出現[野山森砂川海―――――闇]◇

  骨が存在する場所ではどこでも発生するが、光属性により清められた骨や土地からは発生しない。


 ◇武器防具◇

  発生して数日たったスケルトンは、瘴気により錆びた剣を作り出す。


 ◇注意事項◇

  無敵・・・体を構築している骨のどれかにコアボーンがあり、コアボーンを壊すまで消滅しない。



 ◇ウロク談◇


 日の出とともにソードフォークの骨をしゃぶりながら、チャノ街に向けて出発した。


 その頃は連れがおり、装備は銅の剣、壊れた木の兜、シャドウウルフの毛皮マントもどき、穴のあいた革の服だ。


 「はぅぅ、おなかすいた・・・」


 「ソードフォークほぼエルミナ一人で食ったよな?」


 「え・・・」


 (え、じゃないだろ!なんで知りません。みたいな顔できるんだよ!)


 「きょ、今日も肉が取れるといいよな」


 「うん!」


 水で腹を膨らませたらどうだと提案したところ、生活魔法がドヘタだったエルミナに、ウォーターを教えながら歩く。


 だいぶ出るようになったエルミナのウォーターを触ったら冷たい水だった。飲んでみたが問題ない・・・たぶん。


 エルミナと街道を進んでいると、道の先に白い物が見え始める。


 だんだんと近づいていくとそれが、錆びた鉄兜をかぶったスケルトンであることがわかった。


 スケルトンも、こちらを認識したらしく、錆びた剣を構えてフラフラと近づいてくる。


 光属性の強い日中だったので、放置で横を通り過ぎてもいいが、今夜の野営で襲われたら、たまったものではない。


 討伐するため、銅の剣を構えて、スケルトンとの間合いを詰める。


 スケルトンの間合いに入ったとたん、凄まじ猛攻が襲い掛かる。


 カン!カカカン!!キン!カカカン!


 「――うぉっ?!」


 日中のため力も速度もない剣だが、その剣術は、駆け出し冒険者の俺を圧倒的に上回っており、油断すると剣を飛ばされ腹を裂かれる。


 「スラッシュ!!」


 斬撃は飛ばなかったが、それなりの一撃を軽いフットワークでいなしてくる。


 『ウォーター!!』


 エルミナの放ったウォーターが、スケルトンにかかると、スケルトンは嫌そうに後退する。


 (隙あり!)


 「でやぁ!!」


 銅の剣が、バキッと剣を持つ腕を砕いたが、おかまいなしに残った腕で殴りかかってくる。


 詰め寄るスケルトンをバックステップで回避し、残った腕に銅の剣を振り下ろす。


 両手を失っても気にも留めずに前進しガチガチと噛みつこうと跳びはねる。


 開いた口に銅の剣を突き刺して頸椎を破壊するが、そのまま覆いかぶさるように押し倒されてしまう。


 逃れようともがくが、上腕骨や脚を絡められて引きはがせない。もがいているうち、徐々に錆びた剣を持った腕が修復され始める。


 「おにぃちゃんをはなせ!!!」


 バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!


 「はなせ!!はなせ!!」


 バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!


 エルミナがスケルトンの背中にソードフォークバスターを振り下ろすたびに、鎖骨、肩甲骨、肋骨と砕け、腰椎辺りを砕いたときにスケルトンは力を失ってバラバラと骨に戻り、瘴気でできた錆びた剣が消失していく。


 「――おにぃちゃん!!!」


 バキッ!バキッ!バキッ!


 「痛い!痛い!!もう、死んでる!死んでるからぁ~~!!」

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