族[獣] 科[魚] 名称[ショットフィッシュ] 推奨[F~] 出現[――――川――水――――] 注意事項[水魔法、かみつき]
◇族[獣] 科[魚] 名称[ショットフィッシュ]◇
130センチ前後のコイに似た魔獣である。
◇推奨[F~]◇
陸から攻撃すれば、苦労することなく討伐でき、身も美味である。
◇出現[――――川――水――――]◇
川に発生する魔獣で、川沿いの街では漁業権が必要なことがあり、狩る前に冒険者ギルドで確認をすること。
◇注意事項◇
水魔法・・・陸上の獲物を川に引き落とす渦巻を発生させる。ウォーターボールを放つ。
かみつき・・・突撃し獲物の肉をかみちぎる。
◇ウロク談◇
霧の谷のダンジョンを抜けてすぐの話だ。
その頃の装備は錆びた鉄兜、解体用のナイフ、シャドウウルフの毛皮マントもどき、破れた革の服だ。
「こっちに」
ディトナを先頭に急ぐ。かなりの速度で急ぐ。
サァ・・・サァ・・・サァ・・・
「「川だ!」」
かなり広い川が見えてくる。
俺も、エルミナも、ディトナも荷を放り投げ、服を次々に脱ぎ、川へ走りこむ。
匂いから解放される!ただ、その喜びで!
そう、大きな大きな油断をした。
だが、仕方ないのだ。鼻がおかしくなるほど、精神が削られるほどの2日間を寝ずに過ごしていたのだ。
気が付いた時には、腰当たりまで川に入った俺たちの周りを2匹のショットフィッシュが回遊していた。
3人で背中合わせになって、攻撃に備える。
ズキューン!!
「きた!」
俺の合図で、それぞれウォーターボールを回避する。エルミナはジャンプで空中に、ディトナは、水面に空気の層を作って滑るように移動する。
ズキューン!!
「きたよ!!」
ディトナの合図で、俺はバシャバシャと移動し、エルミナはジャンプで空中に回避する。
『ウォーターボール!!』『チャッカ』
ショットフィッシュが水中に潜ると同時に、ウォーターボールは川面にぶつかって燃え広がり、メラメラと燃えながら流れていく。
渦巻が発生し俺たちを襲う。
ディトナは、風魔法を駆使して水面でバランスをとり、エルミナはジャンプし、何度か俺を踏み台にジャンプを繰り返す。
俺は、渦巻に巻き込まれて、ガボガボした。
ズキューン!!
「きたよ!!」
エルミナはジャンプし、ディトナは、俺を抱えて風魔法で滑るように移動する。
「がはっ。も、う、だいじょうぶだ」
水を吐き出し、無事を伝える。
ショットフィッシュは、隙を狙うように俺たちの周りを回遊し続ける。
(ん?こいつら、さっきより距離をとってないか?)
「エルミナ。アイデアがる。俺を踏み台にして陸に上がったら、――してくれ!」
「おにぃちゃん!わかった!」
「だったら、わたしが空中で押しあげるよ」
そういって、風をなびかせる。
「やぁー!!」
エルミナが俺を踏み台に陸へとジャンプする。
ズキューン!!
ショットフィッシュが放ったウォーターボールから、体をひねって回避する。
『ウィンドストーム!!』
ディトナが放った風が、エルミナを包んでクルクルと陸へと吹き飛ばす。
(滅茶苦茶回転してるぞ?!着地できるのか!)
スタッと着地して、エルミナはそれをつかむ。
弓でもない、鉈でもない。
俺の破れた革の服。
「えーい!!」
ショットフィッシュに向かって、投げつけられた俺の革の服がポチャリと川に落ち、水を含んだ服が一気に匂いを開放する。
「「ぐはっ?!!」」
馬鹿になっていた鼻にも、突き刺さる刺激臭。
ショットフィッシュたちは、パニックに
『ウィンドカッター!!』
『ウォーターボール!!』『チャッカ』
ディトナのウィンドカッターが首を狩り、もう一匹へは俺がウォーターボールで炎上させる。炎を消すために潜り、匂いを避けるために髭を出すが、髭を出す度にウォーターボールで追撃する。
(渦巻後に俺たちから距離をとったのは水中に広がった匂いを避けるため、読みどおりだ)
川下に流れる俺の服は誰も拾わなかったが、二匹の魔獣は食料として川から引き上げた。
魔獣に匂いが移ってないかと、何度も匂いを嗅いだが、微妙な匂いがわかるほど鼻の状態はよくなく、気にせず焼いて食った。
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