族[植] 科[花] 名称[マリオネットフラワー] 推奨[F~] 出現[野―森――――――――闇] 注意事項[毒、闇魔法]
◇族[植] 科[花] 名称[マリオネットフラワー]◇
生き物を捕食し、成長していく魔物である。花の直径は100センチ前後。
ツタに絡まって養分にされている生き物たちの姿が糸人形のように見え、マリオネットと付けられた。
◇推奨[F~]◇
街道、街や村に近い場所に生息している場合には、討伐対象になる。
討伐しても、価値の低い魔石しか残らない。
◇出現[野―森――――――――闇]◇
温暖な気候で、草が生い茂る場所に発生する。
◇注意事項◇
毒・・・香りに含まれる魅了成分で、相手の見たいものを見せ、やる気をなくさせる。
闇魔法・・・相手の見たい幻影を見せる。
◇ウロク談◇
ディトナにあってから、4日がたった。
その頃の装備は錆びた鉄兜、解体用のナイフ、シャドウウルフの毛皮マントもどき、穴が広がった革の服だ。
「おにぃちゃん。食事少ないとおもうなー」
「そうだぞ。ウロク。食事を増やすべきだ」
(何を言ってるんだ?)
ディトナによるとダンジョンを抜けるまでに10日かかる。
残っている板のように固い肉は6キロだ。そこから換算すると1日に消費できる肉は600グラム。十倍に膨れるので6キロ。初日のような肉炒めではなく、水でさらに量をました鍋にして8キロだ。決して少なくはない。ただ、なんであんなにデカい鍋を持っていたかは、この4日でわかった。
ディトナもエルミナに負けず劣らず、大食いなのだ。
「何度も言ってるが、これ以上はダンジョンから出るまで増やせない」
「明日のことより、今日のことだとおもうなー」
「そうだぞ。食料がなくなったら、エルフ秘伝の豆がある」
エルフ秘伝の豆。ディトナがいうところ、1粒食べれば1日動けるという優れた豆らしい。だったら、ディトナが豆食え!と言いたいが、ダンジョンの魔物から守ってくれているので、そこまで強くは言えない。
「いちを言っておくけど、寝てる隙にズタ袋をあさったりしたら、食事抜きにするからな」
「「そ、そんなことしないよー」」
ぷーんといい香りが立ち始める。この香りの元が、エルミナたちを食事の要求に助長させている原因だ。
うねうねと、長いツタを地面に這わせ、ゆっくりと迫ってくる。
マリオネットフラワーに初めて遭遇したときは、エルミナを止めるのに大変だったが、数回遭遇しているうちに、空腹が増すだけの魔物と認識している。
赤い花びらをつぼめては、ボフンと香りを飛ばし豪華な料理の幻影を見せる。
シュッ
巨大な背嚢を背負った状態のディトナが放った矢は、マリオネットフラワーの花に深々と突き刺さる。
ディトナの弓は、エルフだけありすさまじい。ズタ袋に入っていたソードホークの羽を渡すと、矢羽根が切れていたんだ助かるよと、矢に羽を括り付け、シュッと放った矢は100メートル以上先にいたジャイアントスパイダーの急所をとらえ魔石に変えた。
ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!
エルミナは、ディトナから借りた薪割り用の鉈で、襲ってくるツタを一心不乱に刈り取る。まるで親のかたきにでもあったようだ。
シュッ・・・カッ!
矢じりのついていない2本目の矢を、刺さっている矢の後ろにあてて、マリオネットフラワーの奥深くへと押し込む。途端に花から瘴気が噴き出し、枯れるように消滅していく。
魔物を倒したはずの二人の目は死んでいる。
「「はぁ・・お腹が・・・お腹がすいた」」
俺は思う。マリオネットフラワーのゾーンを早々に抜けなければ、飢えた者共にあの花のように消滅させられるのだと・・・。
なぜ料理を作り、たった1杯を食うだけの俺が遠慮しないといけないのかは、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます