族[獣] 科[鳥] 名称[ソードフォーク] 推奨[E~] 出現[野山森砂―――――風――] 注意事項[風魔法、鷹目]

 ◇族[獣] 科[鳥] 名称[ソードフォーク]◇

  族と科を合わせて鳥獣種とも呼ばれる。

  翼を広げた状態で翼の先から先まで200センチ前後。

  クチバシや足の爪は、ナイフのように切れ味が鋭い。


 ◇推奨[E~]◇

  ソードフォールとも呼ばれ、まさに上空からソードを落としたように気づいた時には首がはね飛ばされている危険な魔物である。

  羽は矢羽として売れ、サッパリした肉はニーズが高い。


 ◇出現[野山森砂―――――風――]◇

  鳥のいるところならどこでも発生する。

  何日でも飛行により移動するため、陸の見えない沖海でも遭遇する。


 ◇注意事項◇

  風魔法・・・高速降下からの翼を使った斬撃は、獲物の首を簡単にはね飛ばす。

  鷹目・・・上空から獲物をとらえることができる。



 ◇ウロク談◇


 日の出とともにシャドウウルフの肉を食べ、チャノ街に向けて出発した。


 その頃は連れがおり、装備は銅の剣、グールバスター(先が焦げた木の棒)、壊れた木の兜、シャドウウルフの毛皮マントもどき、穴のあいた革の服だ。


 「いいか。チャノ街まで付き合ってやるだけだからな。俺はウロク。おまえは?」


 「・・・エルミナ」


 「それと飯は自分持ちだからな!いっさい出さないからな!」


 「え・・・」


 (え、じゃねー!まだ6キロくらい残ってた肉をほぼ全部エルミナが朝食で食ったんじゃねーか!まるで神になったコメディアンがスイカを食べる速度で・・・ん?いま、俺、なんか言ったか?まぁいい。)


 「チャノ街まで6日程度でつく。最悪、草を食えばいい」


 「え・・・」


 (え、じゃねーよ!ラビット種は草が主食だろ!)


 「まぁ。も、もし肉取れた半分やるよ。それよりも、とっととチャノ街に向かうぞ!」


 「うん!えへへ」


 そんな顔してもダメだからな、俺はもう、絶対に他人を信用しないんだからな!


 杖代わりにグールバスターをエルミナに貸し、チャノ街に向かって歩き続ける。


 日が一番高くなったころに休憩の声をかけようとエルミナを見ると、エルミナが空を見上げた。


 ぴーひょろろ~


 俺とエルミナの足元以外に薄っすらと丸い影があるのに気づき、エルミナを抱いて横に飛びすさる。


 ザクッ!!


 俺たちが先ほどまで立っていた地面に斬撃が走る。見上げた先には、ソードフォークが降下から上昇に転じている。


 「ソードフォークだ!気をつけろ!空から風魔法で攻撃してくるぞ!」


 「う、うん!」


 その後、ソードフォークは降下しては斬撃を放ち、また上昇すると繰り返し攻撃してくる。降下した位置でも高さが7、8メートルはあり、風魔法の斬撃を回避するので手いっぱいだ。


 「くそ!高すぎて攻撃できない!」


 「お、落としたいの?」


 「できたらやってる」


 「じゃー、落とすね!」


 (は?風魔法?土魔法?火魔法か?)


 ソードフォークの降下に合わせて、エルミナはぴょーんとジャンプするとソードフォークと同じ位置まで飛び上がった。俺とソードフォークはギョッとしてエルミナを見るが、エルミナは構わずにグールバスターをソードフォークに背中に叩きつける。


 バチン!


 ソードフォークはバランスを失い落下するが、体制を立て直すため、上空3メートルくらいを滑空する。


 (この距離ならとどく!)


 『スラッシュ!!』


 銅の剣から放たれた斬撃は、見事にソードフォークの首をとらえ地面にぼとりと落下する。


 「よくやった!」


 俺がエルミナに駆け寄り頭をなでても、反応しないので表情をみると、落ちたソードフォークを見てよだれを垂らしている。


 「・・・夜の野営まではダメだからな」


 「え・・・」


 (え、じゃねーよ!貴重な食料だろ!俺だったら1週間は食いつなぐぞ!)


 その夜の野営だけで、10キロはあった肉がエルミナの腹におさまったのは言うまでもない。

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