族[豚] 科[子] 名称[オーク] 推奨[D~] 出現[野山森砂―――――――闇] 注意事項[軍隊化、繁殖化、絶倫]
◇族[豚] 科[子] 名称[オーク]◇
族と科を合わせて小豚種とも呼ばれる。
2足歩行する豚のようだが魔物であり討伐すると消滅する。
身長は200センチ前後で、体系はデブの巨漢である。
◇推奨[D~]◇
オークは魔神が戦略的に発生させた可能性が高く、発見者は冒険者ギルドへの通達義務がある。
◇出現[野山森砂―――――――闇]◇
町や村から数日の範囲で集団発生し、町や村を壊滅するように行動を始める。
◇武器防具◇
発生して数日たったオークは、瘴気により鉄の剣、鉄の槍、ロングボウ、鉄の盾、鉄の鎧を作り出す。
◇注意事項◇
軍隊化・・・集団を作り、前衛、中衛、後衛と編成を行う。
繁殖化・・・ゴブリンと同様だが、サイズが大きいため、苗床からは5体程度しか生まれない。
絶倫・・・女性への筋力が半減するが、かわりに女性からの筋力も半減する。
◇ウロク談◇
日の出とともに、チャノ街に向けて出発した。
その頃は腹を鳴らす連れがおり、装備は銅の剣、錆びた鉄兜、シャドウウルフの毛皮マントもどき、穴のあいた革の服だ。
ぎゅるるるるぅぅぅ~~~~
俺も空腹だが、エルミナの腹の音を聞くたびに、申し訳なさが先に立ってしまう。
せめて食べたことがある雑草を摘み、エルミナの口に入れながら旅を続ける。
半日進んだころに、道の先から馬車の残骸らしき物が見え始める。
銅の剣を引き抜いて、俺たちは油断なく近づいていく。
「馬車かな?」
「みたいだ。周りに注意しろよ」
近づくにつれて帆馬車に見覚えがあることに気づいた。この馬車はカメリア町を出たときに商人が使用していたものだ。
辺りを警戒しながら、帆馬車を確認する。
帆馬車の壊れ具合、血の飛び散り具合から魔物だと思うが、ヒトの死体も馬の死体もない。横倒しになった帆馬車の中に入り金目のものがないかと物色する。
「胡椒か、少しは金の足しになるか」
昔は高かったらしいが、植物魔法ができてからは銅貨2枚もあれば交換ができる。
「か、勝手にとっちゃっていいの?」
「誰の物でもない物を拾っても問題ない。それに食いものがあるかもしれねーぞ」
エルミナも食いものと聞いたとたん物色を始める。
「あー。プレート、番号の書いたある板切れがあったら教えてくれ」
馬車には登録証があり、襲われた馬車の登録証を商人ギルドに届けると多少の金になるのだ。
「これ?」
「そうそう」
受け取り、ズタ袋に突っ込む。
「食べ物ないね・・・」
「そうだな。馬車造りの手伝いしてたときに、こういうところに隠し・・・」
カタン
「なになに?食べ物??」
「いや金だ。金貨1枚、銀貨3枚と宝石か。メチャクチャ景気いいじゃねーか!なんで俺からシャドウウルフを奪うまねしたんだよ」
「――なにかくるよ」
ガサッ、ガサッ、ガサッ
何かが帆馬車に近づいてくる。
(所有者がまだ、生きてるなら返さなきゃならねーな。ってか攻撃されかねないぞ)
息をひそめて、破れた帆からちらりと外の様子をうかがう。
「ヴヒィ・・・」
(オーク?!しかも、こちらの存在に気づきそうだ!でやぁっ!!)
俺は飛び出して、鼻をクンカクンカ動かしているオークの脚に斬りつける。
ザシュッ!!
「ヴヒィヒィ?!」
「エルミナ!!チャノ街の方に走れ!」
オークがすぐさま鉄の剣を引き抜き俺に振り下ろす。
カン!
重い一撃で、銅の剣で受け止めた手に痺れが走る。
ガサッサッ、ガサッ、ガサッサッ
エルミナはオークを見たとき肉?とつぶやくが、森の奥から次々にオークが現れると俺の指示に従って走り出す。
オークの集団がこちらに向かってくるので、踵を返してエルミナの後を追う。
「走れ!走れ!走れぇー!」
エルミナを急かすが、エルミナの方が圧倒的に速く。まじで?と5度瞬く間に、ずーーっと先を走っている。
「「「ヴヒィ!!」」」
オークたちが矢を放つころには、俺たちは射程外に到達していた。このまま走っていれば、オークの足では追いつけないだろう。
前を走るエルミナは、すでにほとんど見えなくなっている。
俺は知らなかったがエルミナの耳にはオークが諦めずに追ってくる音が聞こえており、エルミナは真夜中まで逃げ続ける。つまり、俺のマラソンはエルミナに追いつく真夜中まで続くのだった。
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