概要
一方で竜を信仰する者たちがいた。
竜追いの八神は、竜を信仰する少女、イサナと出逢う。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!竜を狩る者と竜を崇める者、二つの思想世界で交差するファンタジードラマ
今作は、竜を狩る者、竜を崇める者、両方の思想世界をそれぞれ生きる人々が登場します。
主人公の男性は、竜狩りを生業にしており、それで生活を営む者。
その者は、竜を信仰する少女と出会い、そこからそれぞれの世界が交差する物語です。
私はこの話を読み、自分自身の世界にも通じるものを感じ、「ああ、そうだよな」と改めて気が付かせてもらった物語となりました。
人々がその世界を生きる上で、どうしても対立してしまうものは必ずと言っていいほどあります。
衣食住に置いても、自分自身が何を楽しいと思えるのかも、何を良いと思えるのかも、好みまですべてに置いて、そう言えるかと思います。
そんな自分自身と同じような考…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この作品こそが「ファンタジーの可能性」。
竜を追う狩り人。当然彼らは竜を殺す存在だ。妻のために、子どものために、暮らしのために。その理由は様々だが、その間には竜を殺すことに恩恵を受け、生を繋ぐ数多の存在が見受けられる。
それに対して、竜を崇める者がいる。守る者がいる。
そして、竜そのものがいる。
どちらが正しい。どちらが悪い。
このものがたりに出てくる双方の立場に、安易に善悪を突きつけることはできません。
それぞれにそれぞれの理由がある。
そして、その立場は、簡単に逆転する。
被害が加害になり、加害が被害になる。
それは世の理なのかもしれません。
ですが直視し難いもの。
この作品はそれらを読み手の前に鮮やかに描きだします。突き…続きを読む - ★★★ Excellent!!!分かり合えない者達は、どこへ向かうのか――。
『竜を追う人』に登場する「竜」は、ある人たちにとっては食料としての価値があり、ある人たちにとっては信仰の対象となっています。
食料として「竜」を狩る者達、作中では「竜追い」と呼ばれているのですが、彼らは自分たちの身体を生かすために「竜」を捕まえ殺します。
しかし、「竜」を信仰の対象としている者達は、心の拠り所にしているため、その存在を尊いものとし生かしているのです。
よって二つの考え方は常に対立しており、お互いが歩み寄って分かり合うことはありません。
物語は上記の考え方を主軸に進んでいくのですが、よく練られた話だなと思います。
主人公の八神が「竜追い」になった経緯や、彼ととも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!竜を狩る者、信仰する者の出会いは、「当たり前」を考えさせられました!
弱肉強食の自然社会。
今作品は、竜を狩る者と竜を見守りたいとする少女のお話。
通常であれば竜が勝つのだろうが、この世界の人間たちは知識を駆使し、協力し、見事に竜を狩るのが日常だった。
この物語は、そんな当たり前の日常にで過ごす竜追いの八神だったのだが、ひょんなことから竜を信仰する少女、イサナと出逢って……。
竜の肉を「当たり前」のように食べる者。
それを「理由があって」止めようとする者。
生きているうえでは、現実世界でも似たようなことが起きてしまっている現代。
難しくも、関係を深めないといけない世の中でもあり、とても考えさせられる作品だと感じました。
自分の生活の「当たり前」が他から…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本物の手触りがするファンタジー
竜という荒々しい生き物が森を闊歩する。
その竜を追い生活の糧にする人々もいれば、竜を神として祀る人々もいる。
そんな世界の物語です。
これから読まれる方のために申し上げておくと、この物語は決して「都合の良いファンタジー」ではありません。
わかり易いレベリングもないし、きらびやかな勧善懲悪もない。
むしろとても人間臭くて生々しい世界です。
だからこそ、物語からは鮮烈な手触りを感じることができます。
それは葛藤のザラつきであり、苛立ちの刺々しさでもあり、安らぎの丸みでもあります。
竜追い達のゴツゴツした手の感触でもあるでしょうし、竜の鱗や骨の硬い反発かもしれません。
読むほどに世界の感触は、…続きを読む