竜を狩る者と竜を崇める者、二つの思想世界で交差するファンタジードラマ

今作は、竜を狩る者、竜を崇める者、両方の思想世界をそれぞれ生きる人々が登場します。
主人公の男性は、竜狩りを生業にしており、それで生活を営む者。
その者は、竜を信仰する少女と出会い、そこからそれぞれの世界が交差する物語です。

私はこの話を読み、自分自身の世界にも通じるものを感じ、「ああ、そうだよな」と改めて気が付かせてもらった物語となりました。

人々がその世界を生きる上で、どうしても対立してしまうものは必ずと言っていいほどあります。
衣食住に置いても、自分自身が何を楽しいと思えるのかも、何を良いと思えるのかも、好みまですべてに置いて、そう言えるかと思います。
そんな自分自身と同じような考えの人々が集い、生活をし、日々を生き抜いているわけです。
そんな己の世界があるように、また己とは違った世界も存在する。
その世界が折り重なって複雑に絡みあっているからこそ、世界は成り立っている。

自分の世界があるのは、そんな別の世界があるおかげでもあることを、いつも忘れないでいたいな、と改めて気が付かせてくれた素晴らしい物語でした。
とてもおすすめです。

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