ひどい頭痛が治らず、MRI脳検査。サバイバー症候群 についても。
2021年 3月で乳がん発覚から18年経ちました。
昨年から、コロナパンデミックそしてアメリカはロックダウンがはじまり、それがあけてからも2年近く自主的に家に引きこもっていました。
大きな理由は「大病をして家族に心配をかけたのだから、絶対に絶対にもう大きな病気にはかかりたくない」からです。
8歳だった息子は大人になりましたが、かなり強いトラウマに今も苦しめられています。それから夫も同じ時期に乳がんで自分の母親を亡くしました。何年経っても思い出すたびに辛い気持ちに襲われていると思います。
姑と私はとても仲が良かったのですが、乳がんが姑にも発覚した時に
「タミイが先になったし、元気になったし、治療もちっとも怖くないわ」と言ってくれていました。今でもそのことを考えると胸が締め付けられます。
もう大病したくない、元気でいたいと思う反面、私だけ生き延びて元気でいることが申し訳なくて、たまらない気持ちになる時があります。
大きな事故などで生き延びた人がかかるサバイバーズ・ギルト (Survivor's guilt)PTSDの種類で サバイバー症候群 (Survivor syndrome)というのだそうです。
18年前
「この病気で生き延びられたら、絶対に、がんにかかった人たちを元気づけられるような活動をするんだ」と決めていました。
レースフォーキュア(ピンクリボンウオーキングのようなもの)や病院のボランティアを経てブログをはじめ、それをまとめてエッセイにしました。
患者さんの目につくようにあちこちのサイトにエッセイを張り付け、賞があったらなるべく参加するようにしています。入賞などで書籍化がかなうなら、よりたくさんの人に読んでもらえるかなと思っています。
その一方で先ほどのサバイバーズギルトがちょくちょく顔を出してきます。
「18年も元気です!というメッセージが今辛い思いをしている人が、もっと嫌な気持ちになるんじゃないか?」と思うことも多いのです。
昔書いていたブログをやめたのも、その理由からです。コメントで仲良くなった人に
「大丈夫だよ!がんばって」と言い続けた日々。根拠なんかなくても医学的エビデンスがなくても私が聞きたかった言葉でした。それでも訃報を聞くことになったときは騙したような気持ちになり、本当に辛かったです。
それでも18年前の私が聞きたかったのは根拠なんかなくていい「大丈夫」という言葉。
それから悪いガンでも長生きしている人の事を知りたかった。実際に聞くとすごく勇気づけられました。
私が大好きだった医者が
「あなたよりうーーんと大きな10センチの癌の人元気でいるわよ。10年前よ」と話してくれて、当時ものすごい希望でした。
なのでギルトと戦いながらもこれからも発信していくと思います。
心配をかけすぎて病気がトラウマになった家族にとって私が「元気」でいることは、やはり何よりも大事だと思っています。
なので、ストレスを溜めない楽しい生活をモットーに元気でやってきました。
しかし昨年からあっという間に世界は変わってしまいました。自粛をし、心配をし、どんどん心も体も疲れていきました。
春ごろからめまいとひどい頭痛に悩まされるようになり、主治医に相談して、血液検査をして、薬をかえてもらっていました。
いろいろな検査をしても原因がわからず、ついにMRI脳検査をお願いすることにしました。
「脳梗塞などの兆候は出ていないのでスキャンは必要ないでしょう」というドクターに
「私は乳がん患者でした。ステージもⅢCでした。18年経っても転移した人の話も聞きました。なにもなければ安心ですし、なにかあったら治療することができます。どうか検査を受けさせてください」と食い下がり、ようやくMRIを受けることができました。
結果から言うと「異常なし」で一安心しましたが、検査中も結果を待つ日々も正直落ち着かず不安でした。
18年経っても心配しなければいけない病気にかかったのだなあと今更思います。
発覚したばかりの方や治療中の方、手術や治療が終わっても数年の方。どこかが痛むとか体調が悪いと「もしや転移なのでは?」と心配になる気持ちとても分かります。
癌も世界を揺るがしている感染症も特効薬ができることを心から願っています。
きっといつかできると信じています。
昔は不治の病だったいろいろな病気に打ち勝ってきたのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます