マンモグラフィー アメリカの病院は乳首に仁丹を張る
マンモグラフィーとは乳房のレントゲン写真で、アクリル板でぎゅっと挟んだ状態で撮影されます。早期発見に有効です。
一年に一回基地の病院でマンモグラフィーを受けています。その結果が戻ってきました。
ノーマル / 問題なし。
病院からの手紙を開ける時は今でも少し緊張します。ただし何か問題があったときには電話が来るので手紙が来るということは正常だということです。「はああ~良かった!」今年も手紙を握りしめて安堵しました。
。。。。。
その1週間前に予約をして病院へ行っていました。基地のゲートで軍のIDカードを見せ、病院でもIDカードを見せます。基地は全てIDカードで管理されます。
レントゲンはアメリカではX-Rayと呼ばれます。マンモグラフィーも同じセクションで受けます。
IDを出すとコンピューターに予約の氏名が入っているので名前を呼ばれるのを待ちます。
名前を呼ばれたらレントゲン技師が呼びに来ます。この日は軍人の技師だったので迷彩服です。この辺り日本とだいぶ様子が違うのではないでしょうか?
若い女性の軍人、ちと威張ってる。
ネーム!バースデー!って映画みたいに言ってる。
私ミリタリーじゃないのに。
上半身の服を脱ぎ木綿のガウンのようなものに着替えます。前開きです。
「乳首の上にこれ貼って」と小さい銀の玉がついたシールを渡されます。これがもう見るたびに「仁丹…」
仁丹を乳首に張り付けたまま待っているほど情けないものはないです。
「どこか心配なことある?」と聞かれたので
「ほくろの少し大きいのがあります。ちょっと心配なんです。ドクターは老人性のシミかもねなんて言うんですよ」とあはは。
くすりともせず「じゃあこのシールその上に貼って」
笑ってよ。
そんな空気の中撮影終了。
「はい取れたわ。帰っていいわ」とレントゲン写真を調べた後に顔を上げて
ちらっと
私の顔を見たんです。
目が合った瞬間に顔を背けました。
うわわわ。これは嫌なサイン。
17年前にマンモグラフィーをした時にも「ちら」っと見られました。
そして
「念のため、もう一枚取りますね」と言われました。
これはもう死刑宣告のようでした。
あの「ちらっ」やめて欲しいですね。人間の本能なのか見てしまうんですよね。
「ああ、かわいそうに」なのか「うわ」なのかそんな顔はしなくてもわかってしまう、あの多くを語る無表情。
なにかあると電話がかかってきます。
翌日の電話が本当に怖い。その日来なくても「先生が忙しく見なかったのかもしれない」とおびえる数日。
手紙が来て読んで、初めてほーっと安心します。
16年も17年もたっても今でもあの日の恐怖が蘇ってきます。一瞬で世界が変わったあの時が忘れられないです。
いま世界では恐ろしいウイルスが猛威を振るっています。ガンという病を含め、恐ろしい病気がこの世からなくなることはないかもしれません。それでもワクチンや特効薬が早く研究されないかと希望を持ち続けています。
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