抗ホルモン剤は10年飲みました。
前作のサバイバーにはその後の治療を書いていませんでした。
抗ホルモン剤を飲み始め、早期更年期障害に苦しみ、卵巣にも影が見つかり子宮と共に摘出手術をしたところまででした。
結果的に見るとこの手術はすごく良かったのだと思います。最初に飲んでいた薬は子宮がんになる確率が高くなる薬でした。だから子宮も切除を勧めると言われていました。
男性の医者には「子供もう生まないなら、必要ないでしょう?手術の後はすっきり楽になるよ」と言われて「あなたもそうだった?」という言葉をグッと飲み込み
「子宮を取ってしまったら一カ所でも転移する可能性が減るからいいじゃない」という看護師に「じゃあ脳転移が多いと脳を取るの?」と嫌味を言ってやろうかなと思ったりしました。
女性にとって、いくつになっても子宮と卵巣を取ることは勇気がいると思います。しかし軽く言う人が多かったので当時は傷つきました。
でも結果は手術して良かった。落ち着いてからは本当にすっきりしました。
最後の最後まで「卵巣の影1つだけなら1つ残そうかな」とぐずる私に母が
「けちけちするな」と言ったのが後押しになり全摘出に。けちって……。
母としては少しでも転移の可能性を減らしたい一心だったと今ではわかります。
「1つでも残したいかも」と思ったのは、もちろんケチ心からではなく当時飲んでいた薬による副作用がひどかったからなのです。
簡単に言うと「女性ホルモンで増えるタイプのがんなので、女性ホルモンを薬の力で出なく」していました。
副作用で閉経になり更年期障害に悩まされました。ホットフラッシュという顔だけサウナに突っ込んでいるような暑さ。夜中でも汗をかいて飛び起きるほどでした。ムードスイングという気分の変化が一番つらく、常にイライラしていました。
薬でさえこの状態なのに、手術で悪化したら大変だと思っていたのです。しかし手術が終わってからは嘘のように症状が収まりました。
この手術で「閉経」と同じ扱いになり、飲む薬も変わりました。手術の後も抗ホルモン剤を飲むなんてと正直驚きました。最初は5年間の治療。この治療薬の副作用は緩やかでしたけど、体重がドーンと増えます。健康ならいいとはいえ、かなりのどすこい体系になりました。痩せにくい体になるとは言われていましたが、この副作用も地味につらかったです。
待ちに待った5年後に「あと5年続けよう」と言われかなりがっかりしました。
「かなり進行の早いがんだった君が元気になったのはこの治療が良かったと思うんだ」そう言われてしまうと「じゃあ、やります」と言うしかないですよね。
10年間飲み続けた抗ホルモン薬。体重は増えに増えましたけど生きているのだから文句を言ってはいけないですね。
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