#20. 一斤色


東、暮れ差す茜色


鬼神一過、後に残った黄金虫。


まとう色に決まりはあれど、憂いてもとどかぬとどかぬ。


錯綜する妄言に木の鎚を下ろせ。


年輪に刻んだ過去を燃やせ。


川を埋め、山を潰し。


危うければ危ういままに、変じず身にまとう色は一斤いっこん


我々は変わらない。


変わらないと根拠もなく、今日を蔑む。

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