#23. red


永遠を歌え

かの音が限りあるものならば


その小節を叫べ

その響きが刹那の輝きを放つならば


その一音を奏で

現在の心を焼き付けられたなら


今日という一日は今後いかなる困難があろうと色をつけ

鮮やかな思い出であり続けるだろう


永遠にも似た哺乳瓶の中

唇を伝って血となり


永久にも思える至福の後

喉を出でて新たな音となる


それが他人の心臓に響くように

それが己の鼓動を速めるように


衝動を刻め

音を綴れ

調律は流れとなり一つの本流へと帰る


今日という日が素晴らしいなら

今日という日を忘れた頃に

勝るとも劣らぬ音が鼓膜に届くだろう


今日という日が救われなかったなら

今日という日を思い出すたびに

最悪と悪を比べて満足できるだろう


転調し

繰り返し

強弱を繰り返す

波打つ色つきの波形は

臓器の脈動か

他人との共鳴か

輪唱か

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カラーコードライフロード Planet_Rana @Planet_Rana

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ