丹念に取材されたことが文面から伝わってきます。
もう少し、やり取りを読んでみたかったです。

　戦国武将 の一人、赤松広秀という人物の生涯を描いた小説です。
　豊富な知識をかみ砕いて丁寧な筆致で綴られているだけではなく、短くもよくまとまっている読みやすい作品です。
　歴史小説・時代小説をあまり読まない方にもお薦めです。
　

丹念な取材と豊富な資料から繙かれる歴史物語にして、伝奇物語。
手垢のついた感のある戦国時代を舞台に、敢えて悪名を被って埋もれた英雄赤松広秀の生涯を、格調高い文体で描きつつ、会話はあくまで現代風にわかりやすく。
赤松氏の再評価を願う作者の郷土愛、赤松愛が胸を打つ、短いながらも読み応え抜群の傑作です。
ぜひ、御一読を。

詳しくは他の方のレビューで様々に語られていますので、私などが言えることもなく。
ただ時代小説と言うと読む側は身構えてしまったりと堅苦しくなりがちですが、それを超えて面白かった、とだけ言わせていただきたい。

このレビューは小説のネタバレを含みます。 全文を読む（1006文字）

赤松広秀の物語だと理解しつつも
藤原惺窩のことを目は追っていた。

ウイットに富んだ喋り口、妙な説得力。
応援コメントに
のぶニャがの野望について少しだけ触れたが
攻略ねこ武鑑や攻略Ｗｉｋｉを頼っても
赤松広秀の猫化には出逢えなかった。
（信長の野望では姿を確認済）

小学生の時分から信長の野望が日常に根付いていた者としては
安土桃山時代は玩具箱をひっくり返したようなワクワク感がある。

加えて… 続きを読む

時代・歴史小説の面白さに欠かせない要素、作者がそこに見た歴史の哀情機微というものが、各々の心情に寄り添える程の鮮明で綴られていて、とても面白く読めました。
オススメです。

　丁寧な取材と豊富な史料で綴られた歴史絵巻です。
　誰にでも読みやすいようにあえて短編で書かれたのでしょうが、長編でじっくり腰を据えて読みたい作品でもありますね。
　赤松広秀公の目指したものが多くの人に伝わりますように。

戦国武将 赤松広秀の生涯を描いた短編伝記小説。
豊富な資料をもとに、需学者 藤原惺窩との友情を軸にして描かれる。

おそらく戦国武将には、二つのタイプがいたのではないだろうか？
自らの権力を望む者と、民の安寧を願う者。
赤松広秀は明らかに後者だった。

だが我々現代人には、どちらのタイプも一様に天下統一を目指した武将の一人にしか映らなかったりする。
今作はそうしたあまり歴史に詳しくない層に対して… 続きを読む

あえて短編で綴ったという作者さんのあとがきがありますが、ぜひ長編で読みたい物語。詩的叙事詩が格調高く精密な文章で綴られます。