第19話 ベトナムでの怪奇
ベトナムのハノイの北にあるタイゲンと言う街で起こったことである。
タイゲンはハノイの北にある街である。
この街の安宿に泊まっていた時に、俺は妙にリアルな夢を見た。
5歳くらいの女の子が俺の部屋に来て、手を顔に当てて「えーん、えーん」と泣いているのだ。
ベトナム語は理解できなくとも悲しいのはわかる。
現実か夢かわからないくらいに「リアルな変な夢を見たな」と思って起きた。
女の子の衣装の細部まで覚えている。
すると今度は、寝ている俺の頭上で大人の女性同士が激しく喧嘩してるような声が聞こえてきた。
相当大きい声であったので、俺はその声で完全に目が覚めてしまった。
これが朝4時ぐらいだったと思う。
「朝早くからやかましい連中だな。少しは近所迷惑を考えろよ!」と思いつつも話はベトナム語なので、当然会話の内容はわからない。
あんまりうるさいから俺はドアを開けて、隣の部屋を見に行った。
しかしそこには部屋がなく廊下であった。
しかも廊下にも誰もいない。
部屋の外に出るとやかましい女の声は、今度は逆に俺の部屋の中から聞こえる。
ちよいと寒くなった。
しかし勇気をを出して声の場所を特定しようと思って部屋に戻ると、なんとベッドと壁のわずかなすき間から声が聞こえている。
当然そこには人間が入るような隙間はない。
人間が入れない空間から甲高い音の声がまだ「ギヤーギヤー」と聞こえている。
「これはお化けやな」と判断して急いで通訳を電話で呼び出した。
まだ大きな声が聞こえるが、ベトナム語だから意味がわからないから怖くもなんとも思わない。
通訳
「なんですか?朝早くから」
俺
「部屋の中から変な女の声が聞こえている。やかましくて眠れん。こいつらは一体何と言ってるんだ?」
通訳も「確かに俺の背後で女性が話ししてるのが聞こえると」言った。
「どうやら内容は、1人の女の子をめぐって『どちらが引き取るか』と言う争いをしています」とのこと。
俺
「とにかくすぐに来い」
と俺は通訳を呼んだ。
ほどなく通訳が俺の部屋にやってきたが、その時はすでに外が明るくなってきており喧嘩の声が聞こえなくなっていた。
しかし間違いなく女性が喧嘩した声は聞いた。
通訳もそう言っていたので俺の耳の錯覚ではなかろう。
ベトナムの幽霊に言いたい。
出るのは構わないが、言葉がわかるやつの前でやれ!
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