第13話 夙川 霊能者
大学4年生の時の話。
西宮市の夙川(しゆくがわ)と言う所の山手に、日本の政治家クラスが困った時に相談に来ると言う評判の霊能力者が住んでいた。
年齢は30代の女性であった。
俺は彼女を友人から紹介されて訪問した時の話である。
初めて行ったにもかかわらず、彼女は挨拶をする俺の顔もろくに見ずに俺の背後ばかりを見ていた。
そして
「なるほど、3人ですね」と彼女は言った。
「え?何がですか?」と俺が聞くと
「あなたの後には、江戸末期の武士が3人ついています」とのこと。
どうやら背後霊らしい。
詳しく話を聞くと、彼女は普通の人間のように幽霊が見えるらしい。
例えば電車に乗っていても、無人の電車にもかかわらず何人かの幽霊が座ってるのが普通に見えるらしい。
しかも彼女は大学時代には幽霊と一緒に住んでいたと言う。
服を脱ぎ棄てたまま学校に行くと、帰ってきたらきちんと服が畳んであったり、こたつに入って勉強してうっかり寝てしまった時は耳元で「ワッ」と言う女性の声が聞こえてきて起こしてくれるらしい。
便利である。
どうやら平安時代の十二単の女性の幽霊だったらしい。
その時に、一緒に連れて行った今の奥さんを見て「2人はこのままうまく結婚できますね」と言ってくれたし、その後いろいろな予言も的中した。
その家は普通のマンションではあったのだが、非常にオカルト的な雰囲気を醸し出していて、今でもあれは本当にあったことなのかなと思う時がある。
ただ食事で出していただいたチーズフォンデュはめちゃくちゃうまかった。
オチ無し
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