命を助けてくれたお礼に私があなたを引き取って養っていくと決めました――
ブラック企業で働く有場健斗は夜、コンビニに行く途中で車にぶつかりそうになっていた少女を助けて、代わりに怪我を負った。
気がつくと病院で寝かされていた俺は、上司からの電話で病院を抜け出そうとする。
すると、突然その行動を助けた少女が止めてきた上にきっぱりと宣言してくる。
『命を助けてくれたお礼に私があなたを引き取って養っていくと決めました――』
この少女、莉愛は大富豪の令嬢で、その宣言通りにあっさりと俺はその大企業へと引き抜かれてしまう。
業務内容は莉愛と一緒に生活を送ることと、二人でデートに行くこと。
つまりは莉愛のヒモとなることだった。
慌ただしい社畜生活から一転して、のんびりとしたお金に糸目つけない生活に、困惑しながらも、徐々に莉愛との仲は縮まっていく。
しかし、その生活に慣れてきたそのタイミングで、俺に他の企業からの勧誘が来てしまう。
条件面はほぼ同等。違う点は、自身の力を発揮して仕事に打ち込むか、このまま莉愛のヒモを続けるか……だった。
今後の生活をどうしていくか真剣に悩んでいるときに、莉愛からお願いをされる。
『今度のテストで学年で一番を取れたら、一つ願いを聞いてもらえませんか?』
軽い気持ちで承諾したのだが、それが元で莉愛は風邪を引いてしまう。
それでも無理をしようとする莉愛。
どうやら莉愛は俺に転職をして欲しくないから無理をしていたようだ。
そこで俺ははっきりと自分の気持ちに気づくのだった――。