12/28 血は水より濃い

 甥っ子の少し遅れたクリスマスプレゼントを買いに二人で都会に出てきた。

 カードが欲しいとのとこで昔行きつけでポイント死ぬ程余ってるカードゲーム屋に行ったら紫の髪お兄さんが対応してくれた。

 カード出してもらって状態確認してたら、甥っ子が周りをキョロキョロ見渡しながらめっちゃ警戒を深めている。

 やっすいカードしか買ってないのに、何をそんなに気にしてるんだと不思議に思っていたら、お兄さんが裏に在庫確認に行った時にこそっと僕に耳打ちをしてくれた。


「さっきのヤバイ人がいつバトル挑んできても良いように、デッキ持ってきた。なんかあったら俺の後ろに隠れてよ」


 と、彼は告げてきたのだ。



 ……自分も田舎から始めて都会に買い物に行った時、いつでも不良からバトル挑まれても良いようにデッキ鞄に忍ばせていた記憶を無理やり叩き起こされて思わず咽び泣きそうになった。

 やめろ。

 そんな所で血の繋がりを見せるんじゃない!

 もっとかっこいい所真似ろよ!!

 こう!

 ほら!

 あるやろ!

 もっと、こう……。

 何もねぇじゃねぇかっ!!

 

 切腹しますわ。

 来世は小栗旬になってますように。

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