7/7 英語は勉強しとけよ!生死に関わるぞ!
五年以上前から、とあるネットゲームをやってます。
それは、MMORPGとかではなく、何というか、カジノみたいにミニゲームが沢山あって世界中の頭のいい奴らがクソみたいにマウントとポイントを取り合うと言う凝縮した地獄みたいなゲームなんっすわ。
そのゲームになぜ、知能指数3しかない僕が参加したかは後々話させて頂くとして、子供が生まれる前後の一年間休止していたんですが、この間何となく再開しました。
まあ、頭のいい奴らがマウントを取り合うと言う地獄絵図の凝縮バージョン。
簡単な説明や選択肢は日本語訳がありますが、基本言語は全て英語で、本当に死ぬ程地獄です。
ゲームの主なコンセプトは、頭いいなら、これぐらい出来るよね? 何やってもいいから、相手のポイント巻き上げろよ。的なね。
ポイントは、毎月初めにある程度配られ、そこから増やしたり減らしたり出来ます。月終わりは清算され、ポイントは0になり、余程の事をしない限りは次の月に持ち越されないです。
ここではプレイヤーレベルがあり、プレイヤーレベルが高ければ高いほどトッププレイヤーで頭がいい奴と言うことになります。
負けまくってポイントが無くなると、レベルを担保に運営から借金をするか、フレンドに貸して貰う事なります。返してもらえなきゃ負債ですが、貸す方も返還時に大きなメリットがあり、そこは頭いいなら考えてやれよ。と、言った所ですね。
ミニゲームなので、1ゲーム大体1分から、長引いても10分で終わる。いい暇つぶしですが、食い物にされると速攻でオケラです。
オケラだって生きてるやんで!
まあ、そんなクソみたいなゲーム、フレンドと言ってもこの5年間早々話しかけられない。寧ろ、何処の国の奴かも分からん相手に話しかけるわけがないんですが、この間このゲームで初めて話しかけられました。
それが前言ってたイタリアの女子高生。
お前、寝ろよ。的な時間にガンガンメッセージを送ってきます。
事の発端は、アイテムで彼女を助けた時でした。
このゲーム、強いやつを仕留めるにはアイテムを使わなければならず、そのアイテムはクソみたいな条件の元貰えますが初心者にはほぼ自力の取得は不可。
僕は長年やってるのでそれなりにアイテムはあるんですが、頭が悪いために殆ど使わないのでフレンドに上げたりしてます。
その時は、たまたまランカーの初心者狩りのモニターをしていて、そのランカーが普通に嫌いな奴だったので彼女に肩入れしたと言う、これまたクソみたいな理由。
嫌いな理由は人それぞれですが、別にランカーが悪い訳じゃないんですよ。ただ、何なくいけすかねぇなぁ! と、思ってただけです。人間嫌いな理由を探しがちですが、別に相手の落ち度なく嫌うこともあるし嫌われる事もある。仲良くない相手ならば、気にした方が負けです。自分はそう生きてます。
ゲームの結果は、僕が肩入れした彼女は大きく負けて有り金ならぬ有りポイント全てを巻き上げられてました。まあ、初心者にしたら頑張った方なのでここは拍手しかないと、拍手と賞賛を送ったら凄く食いついてきて、友達になりました。
彼女の名前はソフィア(仮名)。
少し変わってるけど、いい子です。多分。
段々とソフィアと僕が惹かれあって……。と、なればおいおい、ついに俺の主人公のラノベが唸る訳だなとなるんですが、そんな事もなく。
普通に友達です。
さて、このソフィア。自分にフレンドを申請してきた時に、こうメッセージが来ました。
私はマイノリティだけど、大丈夫? と。
顔も本名も国も性別も分からない自分に。
言葉の意図が分からない僕は、別に例え君が火星人でも僕には関係ないから気にしないよ。と、送りました。
言葉はぶっきら棒かもしれないですが、別にソフィアがマイノリティでも何でも、自分には関係ないですし。
だって、人の性的マイノリティ関係あるゲームじゃないし。そもそも、フレンドだってそんなに必要としないゲームだし。何でもええやん。そこは。と、思ってましたし、今も思ってます。
それから、ソフィアは僕に今日一日がどんなにクソだったかを毎日送ってきます。特にその事への返信はしてないんですけど、まあまあ糞だなとかは思います。
まあ、一人河原で泥と小石のタピオカミルクティー作ってた俺も結構糞みたいな1日を過ごしてますが。
でも、僕はプライドが東京スカイツリーよりも高い人間なので、今日は時間があったから一人で気ままにタピオカミルクティをオーガニックで作ってみたの。とか、送ってますけどね。
嘘は吐いてないからな!
そもそも、僕は今ニートです。
ニーディングを得意とする、ニーターです。そんなに、彼女に今日一日を送る内容もない。
仕事をしてたら、死ぬ程書く事あったんですがね。
会議に少し遅刻しそうになって、会議室の前にたどり着いた時に、中から部下が「王下七武海、こねぇなぁ」と、言っていて、その場にいなかったのは自分だけだったので、僕が部下に陰で王下七武海と呼ばれいると分かった事とか、ね!
この世は地獄かよ! と、思った瞬間でした。滅茶苦茶良い上司頑張ってたのにね……。
そんな悲しい話も今はなく。
する事も余りなく。
本当平和。
なので、彼女に毎日お疲れ様。ゆっくり寝てね。明日はいい日だと良いね。と、ひたすら送ってます。
そんな日常の中、彼女が僕にゲームをふっかけて来ました。
しかも、有りポイント全てベットの大勝負。
ゲームは簡単な数字当てゲーム。
お互いのナンバーを三回質問した後に当て合うゲームです。
どうした。気でも狂ったか!? よくよく見ればこちらは昼だが、向こうは朝の6時。寝ろよ! お前!
そら、気も狂うわ! と、思ってたんですが、何か向こうは本気。
蹴っても良かったんですけど、子供も寝てるし、mj3の起動も遅いしで、ええよと、さくっと乗ってみました。
簡単に説明すると、このゲームは、親とゲストの一対一でやりあうゲーム。
親は、ゲームの種類とオプション、アイテムの使用回数の制限や質問の回数などの規制ルールを決め、ルームを用意します。
ゲストは掛けポイントの設定が出来るんです。
親はソフィア。ゲストが自分。
ここまで言えば分かると思うんですけど、全額掛けの設定は僕がするわけです。
全額ベットに設定するもしないも、自分の自由。
普通に、低設定にしれっとしてもいいんですよ。
親に変更の権限もないし。ソフィアが言い出した事に従う義務もないですし。
僕は設定しましたよ。勿論です。
全額ベットに!!
六月も終わるし、別にポイントなくなっても困らないし、ランカー狙ってないし、理由はいくつかあるんですが、一番は全額ベットやった事ないわ。一回どうなるか見てみたい。です。
人間こういう時、ありますよね。僕は有ります。一発アウトのすっからかんになったらどうなるんやろ? ワクワクですよね。
結果、僕は負けました。
白熱したバトルが! とかもなく、普通に。
一発アウトで三万ポイントが一瞬にしてゼロに。
色々処理を挟むんですが一発アウトだと運営が気を使って速攻で終わるんですよ。初めて知りました。何だその気遣い。いつも見せろよ。
そして、その日から、ピタリと、ソフィアが僕にメッセージをくれなくなりました。
僕のポイントで彼女はトップ100入り。勲章付きになり、彼女は雲の上の人となったのです……。
と、思ったら、普通にその三日後に高熱出して寝込んでたとメッセージが来てちょっと笑った。
そして、何であのゲーム受けるの? もっと自分を大切にしてよ! 等、何ギレ? 的なメッセージが来るわ来るわ。
ここは、かっこよくビシッと締めたいなと思いましてね。
僕は言ってやったわけですよ。
「勲章を持ってる君が、見てみたいと思ってね」
と、ね!!
もう、こりゃ、抱いてコールの嵐でしょ。
このセリフ言えるのは、俺か、デカプリオぐらいでしょ!?
もう、俺のラブコメラノベ始まったしょ!! お前ら書店予約しとけよ! サインしてやんからな!!
ぐらいのテンションですよ。
ええ。
そして、昨日その返事が来ました。
「この英語、翻訳上手くできないみたいなので、もう一度違う言葉で送ってくれませんか?」
あー!! あー!!
人生上手くいかねぇーなぁー!!!
こんな事になるから、英語は皆んなちゃんと勉強しとけよ!! トミーとの約束だ!!
あー! 明日起きたらこのメッセージ送る前に巻き戻ってねぇーかなぁー! 普通に心が死ぬやろが!
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