3/22 スイッチ入ります

 とある話題で、友達を辞めたのエピソードで一番記憶に残っているものはありますか?

 と言うものがあった。

 余り、絶交と言うものをした事がないぐらいの仏の富升なので、ないかなー? と、思っていたのだが、一つだけ記憶に鮮明に刻まれた絶交話がある。


 それは実に理不尽な話しだった。


 色々面倒くさいので省くが、元友人がありとあらゆる罵倒を受けていた時に、思わず


「罵詈雑言だな」


 と、顔を顰めてしまったのが始まりであった。

 僕がそう言うと、彼女はまさに鬼の形相で僕に詰め寄り、


「何それ! パリに行った事ある事自慢してるの!? 私がパリに行く事夢だったの知ってるでしょ!? まだ聞いたこともないの、自分だけ知ってますみたいに人に言うの、最低! お前のこと、絶対許さない!!」


 と、捲し立てた。

 もうね、ここでね、意味不明で終わればよかったんだけどね。

 天才的な富升の脳が激しく動いてしまったわけよ。

 天才が故に。


 パリ?

 あれ?

 こいつ、罵詈雑言の事、パリ騒音だと思ってる?


 もう、この答えに行き着いた時に笑いのツボのダムが壊れてしまってね。

 笑うのに耐えるのに必死で必死で。

 今思えば、何がそんなに面白かったのか自分でもわからない。

 わからないが、突如スイッチが入ると、人としてダメなぐらいに笑ってしまうマンなんだよ。僕は。


 結果、絶交されたんだけど、僕は未だに一度もパリに行ったことはない。


 人生で一番理不尽な絶交と、一番入ってはいけない時に入ったスイッチの話でした。


 因みに聞き間違いだよ説は相手の方が聴力2.0あるのでと否定されたんだけど、聴力2.0って何だ? と、今も定期的に思い出しては首を捻っている。

 

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