第13話 「小説」を海外で売る際の壁

 まずはこちらの記事について。


 HON.jp News Blog「クールジャパンは“シャレ”だった? ―― アメリカで日本のマンガを売ることの難しさ」

(https://hon.jp/news/1.0/0/23710)より

 ――以下抜粋。


 ・アメリカ人にとってcomicというのは「男の子が読むもの」という認識・前提があるので、日本のmangaは josei / seinen / shojo / shonen と4つのカテゴリーがあることを説明するところから始めなければならないなど、老若男女を対象としたコンテンツであるのをわかってもらうのが大変。


 ・「作品(title)」と「巻(volume)」があり、時には何十巻もある長編作品があったりすることを、特に図書館の司書の人が理解しておらず、注文の際に混乱が起きた。


 ・アメリカ文化には「未成年に見せてはいけない」縛りが強く、日本側では考えられない些細なことで禁書扱いとなるので、地域的に異なる州法にレーティングなどで対応しなければならない。


(中略)

 日本側が読んでもらいたい、売れるだろうと考えるマンガと、ずっとアメリカの市場に目を向けて作品を選んできた現地の出版社が「これはイケる」と選ぶマンガには隔たりがあって、“目利き”としての肌感覚がなければできない。

(中略)

 異文化適応のマーケティングは一筋縄ではいかない。例えば映画を例に挙げてみると、ハリウッド映画こそ世界中のマーケットで受け入れられているが、反対にほとんどの国の映画は、グローバルな成功を成し遂げられない。理由の一つは、異なる地域の観客には簡単に理解できない、自国のローカルなネタを頼りにしているからであるという。

 最後にまとめとして提示されたのは以下となる。

 1. クリエイティブ産業の海外展開には、特有の文化障壁がある。

 2. 「カワイイ大使」など、安易なクールジャパン政策は逆効果になる可能性がある。

 3. 今後のインバウンド政策や、東京オリンピックに向けた、異文化との摩擦をどのように考えるか?が課題である。


 ――以上。


 ここではアメリカに焦点を当てて話を展開していますが、海外に目を向けた際には、どうしても日本と同じ考え方をしては失敗する部分が出てきます。



「小説」に置き換えて考えてみましょう。


「小説」は言語である分、表現も文化的な影響を大きく受けます。

 日本では当たり前な事として省略、テンプレと化している表現も、海外では一から説明しなければなりません。


 日本語をただ英訳するだけでは駄目なのです。


 WEB小説は有志によって翻訳されたりしていますが、これをシステム化した小説投稿サイト「taskey」が昨年閉鎖したのも記憶に新しいです。



 しかし、これを上手い事成功に漕ぎ着けたのが――中国です。

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