20話 心の絶不調

 僕の心の調子は悪い。幻聴・幻覚・妄想が酷い。幻聴は後ろ向きな言葉ばかり聞こえるし、幻覚はあちこちに「目」がついているのが見えたりする。妄想は被害的なもの。俗にいう被害妄想。どれも気持ち悪いし、怖い。


 そんな中、かかりつけの病院の看護師・三浦加奈からLINEがきた。

[ねえねえ、聞いて欲しいことがあるんだけど電話していい?]

 と、いうもの。こんな時に電話なんかしたくない! そう思ったので、

[ごめん、チャットにして?]

 と送った。すると、

[もしかして調子悪い?]

 質問を質問で返すとは。まあ、いい。

[悪いよ]

 返答に困ったのか、少し次のLINEまで間が空いた。


[あたしは看護師だけれど、してあげられることってなんだろう]

 それを僕に訊くのか。正直、今は放っておいて欲しい。でも、そのLINEを打ち込むのが苦痛だ。返信しないで放っておくともう一通きた。もう、そっとしておいて欲しい。だから、無理に身体を動かしLINEを打った。

[ごめん、今は調子悪くて何もする気になれないからそっとしておいて欲しい、ごめんね]

 それ以降、LINEはこなくなった。怒っただろうか。まあ、いい。今は仕方ない。調子が良くなったらこっちから連絡しよう。

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