「武州・悪党狩り」土方歳三・商売往来記

奉公先を飛びだした土方歳三は、剣術修行と商売を兼ねて石田散薬を売り歩くが、そこはかつてのバラガキのトシ。ゆく先々で事件に巻き込まれる。持ち前の機略と剣で歳三が悪党を斬る！


――というコンセプトで描く、土方歳三を主人公にした「歴史小説」ではなく本格「時代小説」シリーズ第一弾。

日野宿名主で義兄の佐藤彦五郎、下谷保村名主にして名医・本田覚庵、関八州取締出役・馬場俊蔵、日野宿の十手持ち山崎兼助、八王子千人同心・井上松五郎など、実在の人物を配して繰り広げるかつてない土方歳三若き日々の物語。

土方歳三を主人公とした小説は、新旧取り混ぜて山ほどあるが、日野時代は、駆け足で説明されて、すぐに京に舞台が移るのが定番である。しかし、この小説には、京などまったく出てこないし、新選組も出てこない。『新選組…続きを読む