episode20 暴走はこれから
合コンが終わり、急ぎ足でクラブに向かう。
もうみんな鬱憤が溜まっていたのだ。
早く女の子と話がしたい!その一心で足を動かしている。
クラブに入り、周が元気を取り戻している。酒で酔っ払い地蔵になっていた訳ではなく、単にレスラーがタイプではなく黙っていただけであった。
「早く!声かけよう」もう周は話しかけたくて限界の様だ。
4人という人数でクラブに来るのは初めてで、4人いれば、2人組や4人組など様々な人に声かける事ができる。
最初は壱と立、雅と周のペアで声かけする事にした。
今こそ実力の見せ所である。新メンバーの前で格好悪い姿は見せられない。
前の方で踊っている2人組に話しかけてみる事にした。
話しかけると壱と同い年の女の子であった。一緒じゃんとハイタッチをする。
更に話をしていると住んでいる地域が一緒で近くにある店とかも知っており、共通点多いね!と親近感を沸かせた。
女の子の反応も悪くない。
このまま、連絡先を聞こうとした。
「共通点多いし、家も近いから友達になろう」と言い、見事にバンゲ!
※バンゲとは番号ゲットの略である。
立の方はというと、彼氏がいると拒否られたようである。
だが、立も結構女の子に話しかけれるタイプであるようだ。これならまだいけるぞ!
そのまま立とペアを組み、2人組の女の子に声かけた。
壱が声かけた方は胸元にタトゥーが入っている少しヤンチャ目な女の子である。
服装はヤンチャな感じだが、顔の系統はどちらかというと清楚である。
タトゥーに少しびびっているが、合コンで負けた壱にとってそんなのは関係ない。
年齢や普段何してるかをサクッと聞く。その後に好きな芸能人を聞いてみると壱がよく似ていると言われる芸能人であった。
よく似てるって言われる事を伝えると最初見たときそう思ったと言い、これは、もらった。
バンゲ!
調子が良い。立の方はというと和みきれなかったようだ。
クラブに入ってから2時間が経過し、4人で一度集まる事にした。
すると雅はバンゲしたが、周はなぜか女の子に怖がられたという。
可愛らしい見た目の周が怖がられるはずはない!そう思ったのだが。
その真相を知りたくなり、次は壱と周がペアを組むと事になった。
「声かけするよーーー!!」
気合が違う。すかさず近くの女の子に近づく。
いったいどんな声かけをするのか?
「ヤッホーーー」
である。
女の子は反応に困っている。それでも女の子との距離を詰めていく周。あまりの顔の近さに恐怖を覚えたのか女の子はいなくなってしまった。
今回がたまたまかもしれない。そう思い、別の子に話しかける事にした。
周は女の子に近づき、、、
後ろから〜ツンツン。
肩を突っついた。
もちろん女の子はいきなり後ろから突っつかれた事に恐怖を覚えたのか、すぐさまいなくなってしまう。
こういうことか、、と納得した。この状況で雅が連絡先交換したと思うと雅の実力も上がったと実感した。
その時、周の目の前に女の子が通る。その子がタイプだったようで女の子を追いかけていなくなってしまう。
どうしようかと思ったその時である。立が2人の女の子と1人で話しているのを見かけた。
しかもそのうち1人の女の子とはかなり和んでおり、いい雰囲気である。
これは、加勢してもう1人の女の子を引きつけなくては!と思い、立に偶然会ったかのように話しかける。
もう片方の子に話しかけ、2対2の状況にした。すると、立が動き始める。
クラブが混んできた事を理由に椅子の席に座って話そうと言ったのだ。
もちろん女の子は立に夢中なので了承した。
そのまま、椅子まで連れ出して4人で話をする。
しかし、じっくり話してみると気づいた。
あまり、可愛くない、、、
そう、それに立も気づいたのか、連絡先だけ交換し、他にも友達いるからとその場を後にする。
壱もとりあえず、連絡先を聞く。
立、壱ともにバンゲ!
その後、4人で再び集まり、報告し合う。周はまた、女の子に逃げられてしまったらしい。
その時であった。ある2人に話しかけられた。
「あ、また来てる」パッと後ろを振り向くとそこにいたのは、クラブ常連の香恵と夏菜の2人であった。
今日の収穫はどうかと香恵がからかってくる。壱は正直にまた、合コンで失敗した事を伝える。
すると爆笑する香恵と夏菜、だが壱は今日クラブで3人の女の子と連絡先を交換した事を伝えた。
ナンパ王じゃんと香恵がまた、からかってくる。
香恵と壱が少し話をしていると隣で雅が夏菜と連絡先を交換しているではないか!
夏菜と雅は何度かクラブで会っており、比較的簡単に連絡先を交換出来たようだ。
壱はそれをみて、香恵に連絡先交換しようと伝えた。するとノリノリで連絡先を教えてくれた。
今度連絡するねと言い、その場を後にする。
気づけば深夜2時を回っており、そろそろ出る事になった。ふと、クラブの方をみると見覚えのある女の子2人がいる。
あれは!さっきの合コンにいたレスラーとパンチラではないか!
壱達の実力不足で楽しませる事が出来なかったので、合コン終わりに出会いを求めに来たに違いない。
レスラーとパンチラの2人はというと、、、男にチキンウィングフェイスロックを決められたかの様に動きを止められている。
あのレスラーの動きを止めるなんて男は相当な実力の持ち主だ!そう思って男の方を見ると、長身の男だった。もしかして、、、
四天玉三郎だ!
壱が超えたい男の1人である。
レスラー、パンチラ相手に四天1人なのでこの後どうするんだ?と思いながら見ていると3人で歩き出す。
なんと四天は1人で2人の子を外に連れ出していたのだ。流石だと思った。
壱も一度連れ出した事はあるが、連れ出しの難しさは知っている。それを毎回会った時にやっている彼はやはりただ者ではないと感じ。悔しさ半分、尊敬半分の複雑な気持ちのままクラブを後にする。
しかし、壱はクラブ3バンゲ、雅も3バンゲと確実に成長していた。
新メンバーの2人はというと、立は1バンゲで、周は女の子逃走。
まだまだ2人は始まったばかりで、これからである。帰り道に4人で合コンを含めた反省会をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます