episode12 社畜の男

〝合コン〟それは、男と女の戦い。

〝合コン〟それは、チームワーク。

〝合コン〟それは、男のロマン



 そんな合コンが開催される。


 10月になり、少し肌寒くなってきた。そんな時に体が暖まりそうなイベント。合コンでは、男同士が同じ意思を持って挑む必要がある。例えば、1人がトゥルーな男でその他がワンナイト男ならば、トゥルーな男は合コンで彼女を作ろうと頑張る。だが、ワンナイト軍団の様なワンナイトの男は、女の子を楽しませるスキルを学びたいので、彼女を作るというよりは、お持ち帰りを狙う事が多い。もしも、理想の人が合コンに入れば、彼女にする為に狙っていくのだが。なので、盛り上げ方にも差が生まれ、ワンナイト男の方は下ネタを入れてきたりもするだろう。その為、同じ意思を持った4人が必要なのである。


 しかし、困った事にワンナイト軍団は、壱、雅、中の3人で後1人足りないのである。

 そこで、雅と中に相談してみた。すると雅の方から1人誘えそうな人がいるとの事である。丁度その人と今会っているとの事だ。大通り公園の近くで飲んでいるとの事であった。壱もたまたまその辺で買い物をしており、合コン前に少し顔合わせをしに行く事にしたのだ。

 壱は携帯のナビを使いながら雅がいる店へと向かう。5分くらいで着くような場所にいたので、すぐ着いた。

 そこには、ゴリラの様に屈強な肩幅と熊の様に強靭な胸板、そして、眼鏡ショップの店員の様な眼鏡を付けた男が1人いた。彼の名は、真壁了まかべりょう、壱より1つ上の25歳である。



 真壁了、25歳、短髪の黒髪であり、体型はムキムキだが、身長は163㎝と低めである。彼のその肉体は自衛隊にいた時仕上がったものである。そう、彼は18歳から22歳までの間、自衛隊に所属していたのだ。自衛隊におり、彼は真面目に勤めていた。その為、その間に彼女なんて出来やしなかった。このままでは良くないと思い、思いきって転職してみた。

 その後は自衛隊で培った肉体を生かそうと思い、警備会社に勤めた。しかし、彼が働くとなった部署はまさかの警備の裏方であり、防犯カメラのモニターを見たりするのがメインであった。その為、彼の肉体が生かされる事はなかったのだ。しかし、そんな状況でも真面目に働くのが了。365日のうち、330日働く、20連勤なんて当たり前。そう、彼は仕事の為に生きる社畜人間であり、ブラック企業に勤めてしまっていた。だが、彼は根から優しい人間であり、会社に文句ひとつ言うことなく働いているのだ。

 そんな彼にも女性と飲みに行くこともあり、一夜限りの関係にもなった事もあるワンナイト男の素質も持ち合わせている。だが、一度だけであるが、なぜなら女の子と飲みに行ってる時に職場から連絡が入り途中で抜け出して仕事に行ってしまうのだ。一度いい感じになった女の子とディナーしてる時に前菜しか食べていないのに抜け出してしまい、女の子を怒らせてしまった事があるのだ。

 了もまた、いろんな意味で逆四天王な男といえる。


 そんな彼と念入りに話し込み、打ち解ける壱。なんと雅と中の2人で街コンに行った時に了と出会った様で、もちろん了はその街コンでは収穫なしの逆四天王だったらしい。

 気づけば2時間も話し込み、合コンの日程も伝えて解散する。




 そして、いよいよ合コンの日を迎える。


 呑み屋P

 お洒落な飲み屋である。個室の席を予約した壱。合コンは19時からで今日は金曜日、仕事を済まして急いで向かう。30分前に集まる事にした。先に雅と中が到着しており、少し遅れて壱が到着する。時刻は19時45分になったがまだ、了は来ない。そこに一本の連絡が雅に入る。




 仕事で少し遅れます。


 社畜を発揮!!!!




 まずい、4人しっかり揃って、簡単に作戦などを練って万全に臨みたい。

 こうして合コン開始前に呑み屋Pで謎の緊張が張り詰める。



 果たして了は開始までに間に合うのか・・・




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