episode11 酒と女と男

「もっと飲んで飲んで」


 そう言われて酒を飲む壱。



 今日はクラブで知り合った水原愛佳と居酒屋ひ飲みに来ているのだが、物凄い酒豪である。こんなに酒が強い人と飲むのは久しぶりである。

 もっと飲まないと〜から飲んでない、バップ〜などというパリピぶりを見せてくる愛佳。そんな愛佳も結構飲んでいるのだが、酔った様子はなく、ひたすら飲み続けるのだ。

 このままだと愛佳を口説くどころではない。壱は酒の勢いも大事な事は知っていたが、やはり酒の力なしに口説く事をしたかったし、その術を身につけたかった。

 ただ今はお酒をかなり飲んでしまっており、まともに話すどころではなくなってきている。お互いの情報交換しか出来ておらず、今までの恋愛事情とか夜の事とかは何も聞き出せずに終えてしまったのだ。

 このままでは、良くないと思ったが、飲み放題の時間が終えてしまったので店を出る羽目に。なので二軒目に行く事を提案するとノリノリで了承する愛佳であった。

 ここで、壱はまた、同じように酒を飲みまくる展開を恐れ、バーに行く事にした。

 店を出て、壱の得意な柿の種の話、どの銘柄がいいとか柿の種とピーナッツの割合の話とかを詳しく説明しながらゆっくりと歩いて酔いをさます。いつもなら10分あれば着くところを15分かけながら歩く。そして、柿の種で盛り上がったところで店に着く。


 バー、日本男児の会議室

 この店は以前、雅から教えてもらって街コン後の二次会に使った店である。

 カップルシートが1つだけあるのだが、23時を回っていたので少し込み合っており、空いていないのだ。その為、カウンターで飲む事になった。

 バーという事もあり、単品メニューの方がお洒落なお酒が飲めると説明し、単品で飲む事にした。これで酒をガバガバ飲むという事は無くなるだろう。壱は比較的お酒が強い方ではあるが、その上をゆく愛佳であった。しかし、外を歩いてるうちに少しお酒が抜けていたので、だいぶ普通に戻ってきている。バーという事もあり、雰囲気的にそんなに飲むような感じではなくなってきている。

 ここから壱の反撃だ!


 とにかく恋愛系のトークに持っていく。まずは、恋愛遍歴を聞き出すと過去に4人の男性と付き合った事があるようで、長く続いたので1年との事だ。その話の流れからどんな人だったとか、年齢とかを聞き出した。そのまま言ってしまえと思い、男性経験を聞いたのだ。すると「5人かな〜」なんと!付き合った人数より、経験人数が多い。これは、ワンナイトの女である可能性が高い!!その話をした後にもちろん壱も聞かれる。そこで壱は自分も付き合った人以外と関係を持った事があると伝える。そうなるとまぁそういう事も大人だからあるよね。という様な流れになり、仲間意識が生まれるのだ。そのまま、〝わかるよ、わかるよ〟という風に言いながら肩をポンと叩く。そうする事でスキンシップがしやすくなり、手を繋ぐ事が出来たのだ。そのまま、近づいてキスまで行く。カウンターという事もあり、バー店員が後ろを向いてる隙に素早く決めたのである。もちろん愛佳は驚いた様子だが、そこまで拒否反応はない。この時点で24時を回り、終電が無くなる。どうする?という流れになったのだが、とりあえず店を出ることした。出てから考えようと言いながら。そして、店を出てからは、男らしく決めるのである。

「まだ、一緒にいたいんだけど」


 すると、愛佳は「いいよ」の一言である。これからはスムーズに手を繋ぎながらホテル街までほぼ無言で歩く。時折、「この時間でも人が多いね」程度の会話を挟むだけである。そして、いよいよホテル前まで着いて、無言で入り、ラブホテルの部屋を選ぶタッチパネルの前まで行き、週末の終電後ではあったが、何とか空室が二部屋あり、入る事に成功した。そこからすぐに事が始まり、30分間の男女の交わりがスタートしたのだ。


 事が終えると、色々と聞いてみたくなる。なんで飲みに来てくれたかを聞いてみるとクラブでの壱が好印象との事だった。どういう事か追求すると壱と話す前に来た男達がいきなり、3Pしようと言ってきたりしたので、その後に話した壱が普通の会話を中心にしてた事が良かったようだ。だが、これはあくまで、最悪な状況があった上での普通な会話が生きただけであり、ラッキーなところもあった。しかし、そこから飲みに繋げて、ホテルまで行けるようになったのは紛れもなく、壱の実力であった。

 そして、そのままホテルに泊まり、朝起きて二回戦を始める2人。その後、9時になりホテルを後にして駅まで一緒に歩き、愛佳を見送ってから壱も電車に乗るのだ。


 次の日、愛佳からメッセージが届く。内容は、、

 合コンしようとの事だ!まさかの展開である。一回関係をもった者同士が幹事の合コンなんて、、

 だが、この合コンの打診でわかる事は、愛佳はまだ出会いを求めており、その相手が壱ではなかった事である。その為、壱に合コンのセッティングを依頼してきたのだ。壱は少し悔しい思いをした。なぜなら一度抱いたにも関わらず、壱はその対象から外れてしまったのだ。その日に口説いてホテルまで行ける事は増えてきたが、その後が中々続かないのが当面の課題である。そこがクリアしないと理想の彼女は到底出来ないと思っているからである。

 なので、出会いを増やす事は大事なので、合コン打診を了承したのである。しかし、ここで問題が発生したのだ。愛佳は、4対4の合コン希望しており、後3人集めて欲しいとの事である。現在ワンナイト軍団は3人しかいない。



 1人足りない!!!!


 だが、この合コンは必ず開催したかったので、雅と中にも相談してみる事にしたのだ。

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