episode17 出会い方はご自由に
忘年会以降も軍団の皆んなは確実に実力をつけていた。そして、忘年会から4ヶ月が経ち、春になる。
春は出会いの季節である。
そして、合コンのメンバーを探す。
壱は胸を躍らせていた。久しぶりの街コンという事もあるが、新たな仲間を探すという目的もあるからである。
大規模なフリースタイルの街コンである。しかも会場はすすきののクラブを貸し切って行われるのだ。
そして、当日を迎え、雅と待ち合わせして会場に行く。
19時にイベント開催の為、18時45分には会場に入った。すると、もう大勢の人でいっぱいである。ざっと200人近い男女が集まっているであろう。
メインは男の仲間を探す事であるが、せっかくだから女の人にも話しかける事にした。
周囲を見渡し、仲良くなれそうな男の人を探してみると、何人か仲良くなれそうな人がいたので、目星をつけておいた。
そんな事をしてると開催の時刻になり、イベントが始まる。
すると一斉に動き出す男達。誰よりも先にと男達は可愛い女の子を目指して一直線に駆け抜ける。
そして、可愛い女の子は男達に話されてしまう。とりあえず誰とも話してない人を見つけて話そうとした。
すると3人組の女の子がいたので、人数比は合わないが話しかける事にした。
キレイ系な3人組であり、壱は「飲んでるー?」
と声かけた。
すると、、
「え、君たちチャラいね〜」
まさかの発言であった。壱は生まれてこのかたチャラいなんて言われた事はなかったのだ。
人生初のチャラいが街コンで言われる事になるとは思わなかった。
よく考えたら街コンでいきなり、飲んでる?なんて声かけるやつなんて壱とかぐらいしかいないだろう。
つまりワンナイトオーラが出ていたという事に違いない。初対面でそんな事を言わせてしまう程に。
だが、それでもめげずに壱と雅は話を続ける。
クラブでは女の子に無視されるというもっとも精神的ダメージを受ける事をされているので、これくらいではびくともしない。
チャラいと言われてから定番の職業や年齢を聞き出し、歳上の27歳であった。歳上である事に若い人の方がいいでしよ?と卑屈な発言をする女の子に対して、壱はこう答えた。
〝年齢なんてただの数字〟
カッコいい事言うねと女の子に褒められるが、その後は女の子を魅了する事が出来ない。雅の方は似てる芸能人を言ったりして、盛り上げているのだが、ふと隣をみると3人組なので1人余っている。しかも輪に全然入ってない感じである。警戒されてるのかもしれない。
もちろんその子を引き寄せる事が出来なかったので女の子達はじゃそろそろ行くね!と後にする。
失敗、、やはり友達1人溢れるのは良くない事だと思い知らされた。
よし、次だ!と思ったその時、「2人ですか?」と1人の女の子に話しかけられた。彼女はスーパーで働く21歳の女の子で1人で参加していたようだ。
今回のイベントは20歳以上参加可能で年齢の上限がないので比較的年齢層が高く、歳が近そうな壱達に話しかけたとの事だ。
話しを聞くと今回の参加女性の中でも一番若いと思われ、男達にかなり話しかけられていたようだ。中には面白い人もおり、その人に飲みに誘われたらしいのだが、迷っているという。
いい人と思ってるなら絶対行った方がいいよと進めるが、口説かれるのが嫌なようだ。
なんと贅沢な女なのか。
じゃ行かなければいいんじゃないと伝えるとえー!っと言ってくる。
なんなんだいったい!単にこの女の子が意味不明なのか?はたまた壱が逆四天王な男だから女の子の気持ちがわかっていないだけなのか?終いには、そのいいなと思ってる男の人と壱達合わせた4人でご飯に行こうなんて言ってきたのだ。
壱が逆四天王な男だとしてもこんな女の子には出会った事がなく、この女の子を口説きたいとも思わない。
だんだん面倒臭くなり、今日はこの後、予定があるし、男の人がせっかく誘ってくれたのに壱達が参加したら悪いと伝えると渋々諦めたようだ。
体力が奪われた。壱は回復アイテムを持っていなかったので、薬草を探したが、街コン会場に薬草はなかったので、シンプルに椅子に座るという回復方法を選んだ。
その後は違う女の子に声をかけるが、反応もイマイチだし、年下が好きな壱にとっては、年上の人が多い今回の街コンにとっては、辛いものがあった。
雅も年上に興味はないので、そろそろ男の仲間を探そうと言ってきたので、仲間探しに転じた。
メンバーのカラーとしては、オラオラ系ではなく、どこにでもいそうな人であるので普通っぽい人に話しかける事にした。
まず、最初に目星をつけたのは、比較的背が高いが、かなり細身で頼りなさそうな男で眼鏡をかけている。
「あのーすいません。合コンに興味ありませんか?合コンあるんですけどメンバー足りなくて。」
めちゃくちゃ怪しい。
いきなり、知らない男が合コンといういい話を持ってきているのだから。
この壺を買えば運気が上がりますと言われるのと同じくらい怪しい。
一応、詳しく経緯や幹事の女の子の写真も見せる。どうだ?無理かなと思ったが、まさかの興味ありますとの事で前向きに検討してくれるとの事だ。
しかし、壱より3歳上の28歳で超がつくほどの真面目君であり、年下の壱達にも敬語で低姿勢で、ワンナイト軍団での活動のビジョンが見えなかった。
とりあえず連絡先だけ交換して他の人にも話しかけてみる事にした。
暇してる男の人いないかなと思い、1人でいる男に話しかけてみた。
さっきと同様に声かける。
すると、そんな合コンみたいな美味しい話をいきなりされてもと、かなり怪しまれている。
詳しく経緯を話したりもしたのだが、怪しい感情を持ったままである。
彼は2歳年上の好青年であり、軍団のカラーとしては良さそうだが、かなり警戒されている。
さっきの彼がすんなり理解してくれたのが異常だったようだ。
とりあえず連絡先だけ交換する事には成功した。
時間的にもそろそろ最後の声かけかなと思い、見た目や背丈が軍団カラーっぽい2人組を発見して、声かける事にした。
これが、運命の出会いになるとは2人は思いもしなかった。
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