episode22 女か男か
なんか、変わったことしたい!
壱は急にそう思った。
そのことを了に言ってみると「俺、面白い店知ってるよ」との事だ。
了が言うには、女装ができる飲み屋らしく、そのまま外に出てもいいらしいのだ。
壱は普通にクラブに行くのもいいが、何か新しい刺激が欲しいところであった。なので、女装してナンパしよう!そう思った。
そして、なるべく軍団の皆んなが参加できる日を設定すると立以外のメンバーは参加出来るとの事だ。
週末にワンナイト軍団の壱、雅、中、了、周の5人が集まった。
19時にすすきの駅に集合し、女装のできる飲み屋に向かう。
了が案内してくれて、店の前に到着し、店に入ると沢山のオネエと呼ばれる人達がお出迎えしてくれる。
最初は戸惑ったが、了の事をオネエの店員が覚えてくれており、すぐ打ち解けた。
そして、すぐに女装に取り掛かる。周はかなりノリノリであり、すぐさまウィッグをつけて楽しんでいる。
雅は持参した女の子の服装に着替える。
中はゲイの店員にされるがままにメイクされ、テキトーにロン毛のウィッグを被される。
壱はウィッグを持参して、メイクをしてもらう。
そして、全員のメイクが終わった。
壱はボブのザ・アイドル風の女装に仕上がり、辺りの視線を集める勢いだ。
雅は細身なので、ミディアムヘアの華奢な女装に仕上がり、後ろ姿は女の子と間違える勢いだ。
中はテキトーに被らされたロン毛金髪がいい感じに似合い、ハーフモデル風に仕上がり、外国人に道案内する勢いだ。
周は、小柄な金髪ギャルに仕上がり、パリピ女子の仲間入りしそうな勢いだ。
了はというと、、、ふと了の方を見ると満面の笑みのゴリゴリのムキムキの女性?ではなく、少し酔っ払い、他のメンバーが女装してるのを見て、笑みを浮かべている。
おそらく、メンバーの女装の中でタイプの子がいるようだ。ちなみに了は、俺は女装はいいかなと女装しないでクラブに行くようだ。
その他の4人は女装が終わり、そのまま飲み屋を出て、クラブに向う。
その時である。電話が鳴る音がする。
その電話は了の電話であった。
了は職場から連絡が来てしまい、仕事に行かなければならなくなったのだ。
「皆んな、後は頼んだ」といい、その場からいなくなる。
しょうがなく、4人でクラブに行き、入る。
いつもと同じ重低音が鳴り響く。
着いたら、4人で集まってフロアで様子を見る。するとかなりの視線を周りから感じるのだが、それもそのはずである。
女装の男が4人いるのだからだ。
その後は、男にやたらと絡まれてしまうのだが、それはしょうがないと思いながらも女の子をナンパしに来たのにと嘆く。
だが、少し女装のクラブにも慣れてきた頃である。女の子から話しかけてくれる事が増えたのだ!
でも女の子は男としてではなく、オネエだと思って話しかけてくるので、今日しか女装をしていない事や女の子が好きな事を伝え、オネエでない事を理解してもらうのに苦労した。
その代償とでも言おうか、連絡先交換はかなりすんなり行き、あっという間に3バンゲもしていたのだ。
その時、他のメンバーはというと、周は女装にかなりハマっており、楽しんでいる。
テンションも上がっており、暴走している。
雅も女装を純粋に楽しんでおり、連絡先を聞く事も忘れている。
中はどうしてるかと思い、見てみると、そこには衝撃的な映像が流れてくる。
中が、女の子と抱き合っているのだ!
しかも、5分以上は抱き合っているだろう。
バイトで忙しくて、全然活動出来ていなかった中にとっては、3ヶ月振りの女の子との会話であった。
その久しぶりの中でしっかり結果を残した。中は女の子に巻きついたまま、連絡先を交換したのだ。
中の成長した姿を、中とも長い付き合いの雅に見せようと思い、急いで探して呼びに行き、雅が一言
「成長してる」雅は中の成長した姿を見て感動の涙を頬に浮かべる。
そして、壱と雅はハイタッチして中の成長を喜んだ。
これを見て、他のメンバーが奮闘する。
周はゴリゴリに女の子に声かけて、おっぱいを触るという偉業を達成した。しかも、可愛い子である。
そのまま、連絡先を聞き、バンゲ!
これが周の初バンゲとなった。
壱と雅も負けてられないと思い、どんどん声掛けていく。
深夜1時を過ぎた頃、慣れない女装とウイッグを被っている事による暑さで体力が奪われてきた頃である。
「可愛い〜」と女の子2人から声かけられたのだ、対して可愛くはなかったのだが、時間帯的にも体力的にも限界に近づいて来たところなので、一緒に踊る事になった。
当然オネエだと勘違いされていたので、女の子が好きな事をしっかりと伝える壱と雅。
30分くらい一緒に話をして、もう帰ると伝えて、バンゲしてクラブを後にする。
外で中、周と合流して、女装した飲み屋に戻り、メイクを落としたり、ウイッグを返した。
当然ながら了がいない事に、オネエ店員が気づき「了くんいないんだけど、まさか女の子持ち帰ったの?」
目を大きくして、勢いよく聞くオネエ店員。
その為、急に職場から連絡きて、仕事に行った事を伝えると目が点になるオネエ店員。
当然だ、了が職場から電話が来たのは22時頃なのだから、良い子であれば、もう寝てる時間なのだから。
了もクラブに行ければ良かったのだが、了の分まで結果は残せたと感じている。
オネエの店を後にしようとしたその時である。壱の携帯が鳴り響く。
誰かと見てみるとクラブで1番最後に話した2人組の女の子の1人から電話が掛かって来たのだ。
時刻は深夜3時だ!
いったい何の電話なのか・・・
僕はまだ、本当の人生を知らない。 トゥルーY @kking
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。僕はまだ、本当の人生を知らない。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます