episode7 四天王と逆四天王


 世の中には2つの人種が存在する。



 四天王と逆四天王である。



 四天王とは何かを極めた最高の状態であり、逆四天王はその逆で、何かを極めきれない最低の状態である。

 つまり、女の子を楽しませれている男は四天王で女の子に相手にされない男は逆四天王ということだ。


 ということは、壱はまだ逆四天王な男と言える。

 これは、そんな逆四天王な男が四天王を目指す為に女の子を楽しませる術を学び、成り上がって行く物語である。



 壱は街コンに通い続けて、衛藤雅と出会い、それからは意気投合してよく街コンに行ったりする仲になっていた。

 雅は持ち前のトーク力で街コンを盛り上げていた。しかし、そんな彼も最初からこんな事が出来た訳ではなく、いうならば、やっと街コンで女の子を盛り上げれるようになってきたところなのである。




 衛藤雅、24歳。北海道の札幌に生まれる。細身の体型で髪型は茶髪のストレート。雅は2年前まで、仕事の関係で関東や関西圏で働いていた。

 彼は元々トゥルーな人間であった。


 ※トゥルーとは、トゥルーラブ(真実の愛)の略であり、付き合った人としか男女の関係にならなかったり、浮気とかは絶対しない様な人を指す。



 そんなトゥルーな雅だったが、当時付き合いで行ったキャバクラのキャバ嬢と仲良くなり、何度か飲みに行ったりしていた。ある日、飲みに行った帰りにそのままキャバ嬢の家に行き、男女の関係になったのだ。

 トゥルーな雅は男女の関係になったのなら付き合うものだと思っていた。


 しかし、キャバ嬢は違ったのだ。

 雅とは確かに他の客より親密な間柄であったが、付き合うという対象には見られておらず、それ以来気まずくなってしまい、会う事はなくなってしまった。



 雅はその時思った。



 自分に実力がない。



 もっと女の子を楽しませないといけない。

 そう思い、雅はいろんな女の子と遊ぶ事を決意した。


 そして、雅もまた理想の彼女を作る事を目標にしていた。

 その為に街コンに行き始めたのだ。


 それからといい、街コンで女の子を楽しませては男女の関係に何回かなっていた。


 しかし、まだ理想の人には出会えていない。


 そのまま2年が経過し、再び札幌に戻ってきた。

 そして、札幌の街コンに通い始め、偶然にも壱と出会ったのだ。


 いや、これは必然とでも言おうか、同じ目的を持った男たちが磁石の様に引かれあっただけなのかもしれない。


 そして、壱と雅は出会ってから半年ほど一緒に街コンに行ったり活動し、それなりに女の子を楽しませれる男に成長していった。

 だが、そこで1つ思った事がある。



 もっと成長したい!

 だから次のステージに行かないと。


 つまり、街コンという場所は出会いを求めてる女の子が集まってくる。

 壱と雅は出会いを求めている人を落とす事は比較的可能になってきていた。そして、街コンは与えられた出会いの場所なので、次は出会いを求めていない人を落とす事を目標にしたかったのだ。



 そんな時、雅からある話を聞く。




 クラブに行ってみないか?



 壱はクラブに対して正直怖い印象をもっていた。

 ムキムキの男達、オラオラした男達、ヘソ出して踊っているギャルそんな人達がたくさんいる場所だと思っていたからだ。

 だが、1回も行っていないのに否定するのは良くないと思い、行ってみることにしたのだ。

 そして、その時に雅からもう1人一緒に連れて行きたい男がいると伝えられた。


 出会いを広げるのはいい事であると思っていたので、承諾した。


 そこで出会う男の名は飛騨中ひだあたる。壱と雅より2つ下の大学生であった。

 そして、日程を決め、会う事になり、一緒にクラブに臨む。



 こうして、出会いが広がっていく壱なのであった。

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