概要
今宵の敵は只人に非ず、妖幻無比のアヤカシなれば――二刀剣鬼、出陣せり。
刻は江戸初期。
元和三年、西暦にして一六一七年。
大阪夏の陣が後、天下泰平の世が訪れた。
されどまた――そんな治世に合わせたように京に現れる辻斬り多数。
中でも京のソレは異様であった。
素浪人の仕業ではない。
それは死体から見ればなんとも明らかなことであった。
何とも醜く、何とも酷く、何とも奇怪な死体の数々。
人の業とも思われぬ、惨極まる死に姿。
道を外れた魔手の幻影(かげ)。
果して、その正体は一向に知れない。
太古より数多の闇が潜むとされる都において、民はソレを“妖怪(ようかい)”と呼んだ。
妖怪ならば斬って殺せるものではないと、人が退治を諦めた折。
一人の男が京を訪ねる。
その男、兵法、天下無双。
二刀一流・開祖―――二刀剣鬼、宮本武蔵。
化け物より、なお畏しい名を以て
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