概要
それから10年。可視化された精霊や妖怪達の中に、日本古来のものが少ないことに危機感を抱いた環境省は新たな部署を設立した。
海外由来の精霊や妖怪を外来種として捕獲し、在来の精霊を保護する「外来生物対策課 精霊部門」である。
※この作品はフィクションです。実在の団体・地名とは一切関係ありません。
※カクヨムコンテスト4参加作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ドS主人公が送る、公務員ファンタジー!
意外な要素を組み合わせて、現実にはあり得ない物語を楽しませてくれる。
そんなファンタジーの醍醐味がぎゅーっと詰まった作品です。
環境省の精霊部門、それもさいたまが舞台という、現代のおとぎ話。
短編連作の形を取って、軽快に話は進行します。
精霊がもちろん見どころで、多種多様なものが登場するのですが、それはぜひ読んで確かめてみてください。
しかし、一番の魅力は主人公、そして彼を取り巻く登場人物たちでしょう。
ドSの榊、なんて紹介したらボコられるのは確定ですね。
どうも榊と名字呼びされるのは大嫌いみたい。
その理由も本編で明かされていきます。
この主人公がぶっ飛んだキャラながら、最後まで一…続きを読む - ★★★ Excellent!!!俺はなあ、国家公務員になって霞が関へ行って官僚となって、(~以下略)
好きです、こういう現代ファンタジー!
ガチガチのお仕事の中に当たり前のように精霊やら妖怪やらが混ざり込んでくる感じ!たまりません!
舞台は、タイトルにもある通りで環境省外来生物対象課。かたそうな部署です。やれ決済だ申請だ稟議だと、とにかくそんな言葉が行き交って、何をするにも上の許可が必要だったり面倒な手続きがあったりする、そんなところです。
外来種であるピクシーを捕まえたり、サラマンダーによる火災が勃発したりするわけですが、それを解決する榊主任がまぁ良い味出してるわけです。もうキレッキレなわけです。恰好良いのです。
彼のキレッキレ具合は実際に読んでいただくとして、ヒロインの桃瀬ちゃんの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大人向けのファンタジー、ここにあります。
ファンタジーと聞くと「ちょっと……」と敬遠してしまうあなたにお勧めの小説が、この作品です。
チートはもちろん、王道と言われるような設定は出て来ません。
現代社会をベースとした近未来が舞台です。
ある事象をきっかけに可視化された精霊たち。
外来種・在来種を取りまとめて、それに対するのは何とお役所職員の面々!
様々な精霊が登場し、職員たちと対峙していく中、個々が背負ったものを織り交ぜながら話は進んでいきます。
そして、あの事象との関りも……。
時折クスッとさせられる軽快な文体が読みやすいだけでなく、リアリティのあるお役所仕事や古来からの伝承もしっかりと描かれています。
さいたま(?)のデート…続きを読む - ★★ Very Good!!ご年配キャラがイイ!
精霊が出てくるお話ですが、お役所が舞台、さらに入念なリサーチに裏打ちされたリアリティがあります。
「精霊でリアリティ? そんなに資料あるの?」
と思うでしょう。あるんですよ。そこを調べ尽くしているのが、この作者様のすごいところ。
その知識は、作品中ではさりげなく出てくる程度なんですが、かなり時間をかけて調べているんだろうなと思います。
そういうわけで、軽くも読めますが、細かく読むと意外な面白さが発見できる秀作です。
数々の面白い精霊が出てきますが、ご年配の精霊たちがとてもいいです。特にコロポックルとノーム。ご年配キャラが魅力的な小説って、あまりないと思うのですよね。
章ごとによくまと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!精霊でお困りの方は環境省の精霊部門にご相談ください
さいたまを震源とする地震によって、突如として姿を現した精霊たち。古来から有名な精霊たちもいるのだが、困ったことに外来種まで国内を闊歩するようになってしまった。これでは在来種の精霊たちが追いやられ、生態系が崩れてしまう。
そんな危機に対処するために設けられたのが環境省外来生物対策課、精霊部門。外来種の調査、捕獲、本国への送還手続き、在来種の保護が主な仕事だ。
クールな仕事人間に見えて、キレると怖い主任・榊とチャラ男のイケメン・柏木。このコンビに新人桃瀬が配属されたところから物語は始まる。
お役所仕事ならではの堅苦しい書類のやりとりや精霊たちを交えた現実感ありありのお悩み相談、時間外勤務な…続きを読む